「世界最速で日経新聞を解説する男(セカニチ)」として活動する南祐貴氏、4代目バチェラーとして知られる黄皓氏、実は二人は経営者であり、2023年に同じくダイヤモンド社から『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』『超完璧な伝え方』という本を出版したという共通点がある。さらに二人は、メディア露出を始める以前からの友人でもあった。二人の若き経営者が、お互いの書籍について、コミュニケーションについて、そして日本の未来について、熱く語り合った!(司会・構成/ダイヤモンド社・亀井史夫 撮影/小島真也)

「炎上」の9割はジェラシーでできている南祐貴(セカニチ)さんと黄皓さん(右)

不可逆な時間を無駄にしたくない

――黄さんは今後、こんなことをやっていきたいとかありますか。

黄皓(以下、黄) そうですね。最近炎上して思ったんですけど、有名人って大変だなって(笑)。こんな人に言われるんだ、みたいな。すごかったですよ、ほんと。

南祐貴(以下、南) でもDMやメンションが多すぎて、ツイッターもインスタも追えないんじゃないですか。

 見てもないですし、僕もヤフーニュースのトップに載ってたって、人に聞いて知ったぐらいなので。大変だなと思ったんですけど、でも、これだけ影響力を持った経営者って日本にいないよなって。

 マジでいない。本当に凄いと思う。

 僕、バラエティ番組に出ているときに、例えばですけど、浜ちゃんとかまっちゃんとかに、「黄皓、最近どうなんや」って聞かれたときに、「昨日上場したんっすよ」とか言ってみたいわけですよ。タレントでそういう人いないじゃないですか。それやってみたいなっていうのが一つと、やっぱり、僕は別にタレントになりたいわけでも、起業家になりたいわけでもなくて、僕という人生を生きていく過程で、タレントも楽しみたいし、起業家も楽しみたいし、このシナジーを生んでいるその過程を今、何とか全力でやりたいなとは思っている。そこは一生懸命やるのと、せっかく影響力を持たせていただいているので、発信がやっぱり楽しいんですね。YouTubeで自分の経済に対する考え方、恋愛に対する考え方、心の持ち方みたいなものも絶えず発信していますし、執筆もやっぱり毎回楽しいなと思っているんです。社会に何かを残すっていうのは、そんな大それた話じゃないかもしれないですけど、確実に僕の本を手に取って読んでくださる方がいるっていうのは、価値があると信じているので、執筆も続けたいなと思っています。「セルフブランディング」ってどうでしょうね。

 タイトルは『超完璧なセルフブランディング』か。

 ちょっと時機を見て、いずれ書きたいなとは思っています。

――南さんは、先ほども漫画をやりたいっていう話もありましたけど、それ以外にやっていきたいことはありますか。

 もっと本が売れるような発信力、影響力を持った人になりたいです。まだまだ自分の影響力は弱くて、発信しても反応が全く無かったり、辛い思いをすることも多い。でも、この道をもっと進んでいきたい。セカニチをもっと広げていきたい。というのも、不動産やNISAや株投資の話題って、みんな口を揃えて、「もっと早く、5年前、10年前にやっておけばよかった」って必ず言うんですね。どうせ5年後、10年後に後悔するなら、今すぐ教えてあげたほうが、社会全体の後悔の総量は少なくなると確信しています。

 「今日が一番若い日」っていうのを、ずっと心に刻みながら生きてはいるんですけど、不可逆なものほど貴重なものはないなと。

 そうですね。まさに時間というものは不可逆で戻らない存在だと。

 投資って、やっぱり回収期間が長いほうがいいわけですよ、簡単にいうと。健康もそうなんですけど、お金持ちの方が大人になって、美容や医療といった面を、お金の力で取り戻すんですけど、結局取り戻したところで、残り生きられる時間が短かったら、その投資に対する回収期間が短くなるわけですね。僕ですらも遅いのかもしれない。もう20代から最高の自分を保って、そのためにお金を使っている人は、その先80年間回収できる。30年間しか回収期間がないやつと、80年回収できるのと、どう考えても80年の方が得なわけですね。何にどう投資するかは、ご本人のやりたいこととか好きなものがあるので、そこは強制しないんですけど、投資は1日でも1秒でも早いほうがいいっていうのは大前提ですね。

 そこはセカニチと黄皓のお互い共通している考えですね。時間が貴重だからこそ、どうせやるなら今すぐやったほうが、時間は無駄にならない。

 人間、基本的に最初悩んだ時点で答えは出ているんじゃないですか。

 自分の中に答えがある。

 だったらやっちゃったほうがいい。

 でも、やらない人がほとんど。

 それを僕らは、こういう本とかSNSを通して、「今日だよ。今だよ」っていうのを訴え続けるんですね。

――若くしてそれに気がつけたというのは、何かきっかけはあったんですか。

 失敗がたくさんありました。例えば会社員をやっていて、「この時間の使い方ってほんとにいいんだっけ?」と疑問に思ったけど、それでも言えず、辞められず、何年も無駄にしてしまった反省がある。株投資においても、自分があたふたして買って売って損をしたこともあったけど、どっしり構えて長期投資で時間をかけていれば最終的には得をしたはずだった。勝てたはずのチャンスを自ら逃してしまった自分がいた。たくさん行動して、たくさん失敗したからこそ、その価値を今なら分かる、みたいな感じですかね。

 同じかもしれないです。やっぱり反省の上に生きてるなっていう感じは正直あるんですよ。ちょうど一昨日、僕は全社方針説明会でミッション・ビジョン・バリューを書いたときに、バリューって、会社のいわゆるメンバーの行動規範とか倫理規範なんですけど、一番上に書いた言葉って「不撓不屈」だったんですよね。ネバーギブアップなんですけど、それ、どういうことかというと、僕、日本に来たときに最初に覚えた言葉は、「失敗は成功のもと」なんです。結局、「過去にずっととどまり続ける後悔ではなくて、先に活かす反省をしよう」っていう。失敗しない人間はいないと思っているので、失敗は失敗で、「うわあ、やっちまった」っていうことじゃなくて、「次こそは!」と思ってやってきたのが今日につながっている。この先もまた失敗するんで。で、また気づいた日にまた新しい行動を起こして、それが人生の一番、僕にとっては少なくとも若い日だと思っているので、この繰り返しですね。