「世界最速で日経新聞を解説する男(セカニチ)」として活動する南祐貴氏、4代目バチェラーとして知られる黄皓氏、実は二人は経営者であり、2023年に同じくダイヤモンド社から『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』『超完璧な伝え方』という本を出版したという共通点がある。さらに二人は、メディア露出を始める以前からの友人でもあった。二人の若き経営者が、お互いの書籍について、コミュニケーションについて、そして日本の未来について、熱く語り合った!(司会・構成/ダイヤモンド社・亀井史夫 撮影/小島真也)
ミラーリングはもう古い?
――今日は『未来がヤバい日本でお金を稼ぐとっておきの方法』のイラストレーターのゆんさんもいらっしゃっています。ゆんさんは黄さんの『超完璧な伝え方』が参考になったとか。
ゆん はい。私は、初対面の人と目を合わすことが本当に苦手です。この本の中にもある、目線の幅の話で、「あ、べつに目線を合わせなくてもいいんだ」と安心感を与えていただきました。
南祐貴(以下、南) 確かにゆんさん、コミュニケーション、あんまり得意じゃないので。
黄皓(以下、黄) 確かに、最初挨拶したときからすごい緊張してましたね。きっと苦手なんだろうなって。
ゆん はい。
黄 最近、僕、ほんといろんなコミュニケーション術を仕入れてて。ミラーリングってあるじゃないですか。相手が本を持ったらこちらも持つとか、相手が水を飲んだらこちらも水を飲むとか。あれもうミラーリングじゃないんですって。知られすぎてて、もう人類はミラーリングだと思わないらしいんですよ。精神科医に聞いたら、最強のミラーリングは、目の瞬きのリズムを合わせること。
南 むず!(笑)。
黄 例えばこうやってしゃべってるときに、相手がパチッてすると、僕もパチッとするんですよ。そうすると、急に恥ずかしくなって、異常にその人間を意識しちゃうんです。こうやって相手の瞬きに合わせたり、うなずき方のリズムを合わせると、もっと心理的に深いミラーリングができる。
南 いや、真似できないなあ。
黄 これ覚えてどうするんだっていう話(笑)。でも、コミュニケーションをよりスムーズにするためにはどんなことができるんだろうなって、常に手段を増やしていっているっていうのはありますね。
――『超完璧な伝え方』で、特に何か苦労した点とか難しかったことってあります?
黄 私、しゃべるのはすごい得意なんですけど、いわゆる小説を書いたりとか論文を書くっていうのは、実はたぶんあまり得意じゃないんですよね。言語的な壁にはしたくないんですけど、私、先に言っておきますと、中国人なんですよ(笑)。日本に来たときに国語って、当然成績がめちゃくちゃ悪くて。
――いつから日本にいるんですか。
黄 16歳から日本です。なので、実は日本の文章の起承転結も含めて、あまり正直得意じゃない。読むのも。
――全然それは分からないですよね。
黄 しゃべるのは得意なんですよ。なので、自分でもしこの本、いきなり構成も含めて考えてくれって言われると、うまく書けなかったと思うんですけど、林さんが、読者がきっとこういうポイントが気になるからって要素出しをしてくれて。じゃあ、こういう順番で示してあげたら読みやすいよねって、構成を相談しながら作らせていただいていたのは、すごくやりやすかったです。さもなければ、自分で言うのもなんですけど、こんないい本には仕上がらなかったとは思っていますね。
南 いや~、いい本ですね。
黄 いちおう外国人が書いているというハンディキャップはあるのですが(笑)。
南 結果それが良かったと思います。黄皓の著書にも書いてあったけど、中国語は文法的に起承転結の結から言う構造。一方で、日本語は、結が最後に来る。黄くんはその両方を使えるからこそ中国語の強いパンチラインも使えるし、日本語の柔らかくやさしい感じも使える。だから二刀流でできるっていうことです。
黄 結果的にそれがよかった。