子どもに言わないほうがよい「たった1つの理由」とは?

大人どうしでも使い方に注意すべき言葉なのですから、子どもに対しては、より考慮するべきです。私自身は「前にも教えたよね?」に類する言葉を、子どもに使わないほうがよいと思っています。

なぜなら、子どもに対して、この言葉を使うメリットがないからです。自分の勉強法や、ノートの取り方などが確立してきた中高生に対してなら、注意を促すという点で、この言葉を使ってよい場面はあるかもしれません。

一方、まだ自立学習ができない小学生に対して、「前にも教えたよね?」と言ったところで、何かメリットはあるでしょうか。

子どもに何度教えても理解してくれず、イライラしてくる気持ちも、確かにわからなくはありません。そんな気持ちで教えているときに、つい感情的になって、その言葉を使ってしまうこともあるでしょう。でも、それは、子どものためでなく、自分のイライラを発散するために思わず出てしまった言葉ではないでしょうか。

「前にも教えたよね?」と言われた子どもは落ち込み、ときに、モチベーションを下げてしまうこともあります。責められているような気持ちになり、それが重なると「もう勉強なんて嫌だ」と思ってしまう可能性さえあります。

教えたことを子どもが忘れたとき、どう対処すべきか?

では、前に教えたことを、子どもが忘れてしまった場合、どう対処すればよいのでしょうか? 私の場合は、以前教えたことを指摘せず、「初めて教えるように、再度教える」という方法をとることがあります。そうすると、教えているうちに、前に習ったことを、子どもから思い出してくれることもあります。この場合、子どものモチベーションを下げることはありません。

または、こちらから何らかのヒントを出せば思い出してくれそうなときは、ヒントをいくつか言って、思い出してもらうこともあります。そうすると、子どもは「ああ、前に先生に教わっていたことだった」となり、子どものやる気をそがず、教える側、教えられる側ともにスムーズな授業になります。

拙著で恐縮ですが、『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』も、親子で一緒に学習していただけることが多いようです。親が子どもに教えながら、本書を解き進めていく際も、今回の記事がお役に立てば幸いです。

明日の記事『【NGワード】親が子どもに絶対言うべきでない言葉・ナンバー1』では、今回とは別の言葉についてとりあげます。