女性がみんな
バリバリ働きたいとは限らない

【言い訳トップ3】
「管理職に該当するような女性がいない」

 女性登用がキーワードになってきた最近、急浮上してきた言い訳です。

・女性管理職比率を上げたい。でも社内に適当な女性がいない
・取締役は、営業や社外交渉、新規事業など厳しいので女性には荷が重い
・ちょうど50代くらいの役員適齢期に、女性の絶対数が少ない
・今はいないが、最近は出産しても働くので、10年待てば女性管理職も出てくるだろう

 この発言は悪気がないので、つい同調してしまいがちです、しかし、こういったマインドのままだと、10年たっても現状とあまり代わり映えのしない単一な組織として取り残されてしまいます。

【言い訳トップ4】
「D&IはOKだけど、女性活躍はNGなんです」

 この発言は、ダイバーシティやインクルージョンといった、カタカナ人事用語が浸透してきた数年前からよく聞くようになりました。私が社外研修セミナーなどに呼ばれ、女性活躍やジェンダー平等について講演をするときに、演目に「男女平等」と入れないでほしいと頼まれた経験は何度かあります。このような主旨の発言です。

・ダイバーシティなら弊社は推進したい。しかし、女性だけに限ると不公平感が出る
・若手からも、女性活躍という言葉は不人気。別の角度から多様化を進めたい
・ジェンダーという言葉を使うと男性が怖がるので、性別の話はしない
・男女平等はもう古いので、LGBTQや人種のテーマを扱いたい

「総論賛成、各論反対」の典型とも言える事例ですね。これに似たような発言に、「SDGsは、環境問題を中心に取り組んでいます。ジェンダー平等はちょっとウチでは…」というものもあります。日本の組織や個人は、「男女平等」や「女性活躍」という言葉が、本当に苦手なんだなぁと感じます。しかし、言葉をカタカナ用語に変えて薄めていると、本来の目的や問題を見失い、ごまかしの対応策になってしまう危険があるのです。