【言い訳トップ5】
「女性がみんな、バリバリ働きたいとは限らない」

 これは人事の担当者から、「女性管理職研修を社内に導入しようとしたときに、周囲から反対意見として上がる声なんです」と、半ば嘆きのようなかたちで相談されます。実際、管理職登用のために女性社員の育成に向き合っていると、否応なくぶち当たる“育成の壁”です。

・全員が全員、管理職や取締役になるような企業なんてない
・子育てや介護がある時期は、ペースダウンして働きたい女性もいるだろう
・多様性というなら、管理職を目指さない女性を認めることも大事

 組織作りの話と、個人の性格やライフステージの話が混同されがちなことも特徴です。

 シンプルなことですが、男性だって皆がみな、バリバリ働きたいとは考えていません。家庭や趣味の時間の方が大切だという考えの男性もいらっしゃいます。特に若い世代では、自分時間を仕事と同じように大切にする生き方が、性別を問わずに求められています。育児休業を取りたい男性が増えているように、労働以外の時間を豊かに過ごすことへの熱は高まりつつあります。バリバリ働いて、リーダーシップにあふれる男性ばかりではないのは、皆さんの職場を見回してみても実感するのではないでしょうか?

 こう考えると、「バリバリ働きたい人ばかりではない」という理由で、女性にだけキャリアアップの機会を与えないのはアンバランスだということがわかると思います。性別や年齢によらず、職場でのあらゆる機会を公平・公正に提供する姿勢が重要になってきます。