「ストレスしかない」と嘆く教育係…期待の新人は“大人の発達障害”かも?対応法を伝授写真はイメージです Photo:PIXTA

会議の時間を何度も忘れる、議事録に「主観」が交じる、大切な書類を紛失する――。実は、「あり得ないミスを連発してしまう人」には、本人も周りも気が付かない“大人の発達障害”が隠れているケースがあります。今回は、発達障害が疑われる入社半年の新人の教育担当を任され、「ストレスしかない」と嘆く山田さん(仮名、30代女性)の相談事例から、対処法の二大ポイントを解説します。(ストレス・マネジメント専門家 舟木彩乃)

“期待の新人”のはずなのに…
入社5カ月で教育係が持った「違和感」

 私は公認心理師としていくつかの職場でさまざまな相談を受けています。相談内容はご本人に関することはもちろんですが、上司や部下、後輩への対応方法なども多いです。

 今回は、発達障害が疑われる入社半年の新人の教育担当を任され、「ストレスしかない」と嘆いている山田さん(仮名、30代女性)の相談事例から、このようなケースの対処法などをご紹介します。

※本稿では、プライバシーを保護するため、実際の相談事例に適宜改変を加えています。

 山田さんは、PR事業などを手がける企業の営業企画室(20人程度)に所属しています。この部署では、クリエイティブな発想力が求められると同時に、何社もの担当先の進捗状況を常に把握している必要があります。入社8年目となる山田さんは、プレイヤーであると同時に、3年前から新人の教育担当も兼任しています。

 今年は、優秀な成績で美術大学を卒業した橋本さん(仮名、20代男性)の教育担当を任されることになりました。上司の小野さん(仮名、40代男性)からは「期待の新人だからよろしく」と、念押しまでされています。

 山田さんは、まずは仕事の全体の流れを覚えてもらうため、橋本さんにスケジュールや進捗状況の管理、会議の準備や議事録作成などをメインに担当してもらうことにしました。