日本建設業連合会・宮本洋一会長インタビューPhoto by Yoshihisa Wada

パビリオンの工事に向けた準備が混乱し、開催さえ危ぶまれる2025年の大阪・関西万国博覧会。建設工事を請け負うゼネコンの業界団体・日本建設業連合会(日建連)の宮本洋一会長(清水建設会長)が7月、工期を巡って記者会見で強い懸念を示し、注目を集めた。プレハブなら今からでも間に合うのか?突貫工事で建設コストは高騰しないのか?宮本会長に直撃した。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟、堀内 亮)

経団連会長にも伝えた懸念
果たして工事は間に合うのか

――7月21日の日本建設業連合会(日建連)の定例記者会見で、2025年4月に開催予定の大阪・関西万国博覧会について、参加国のパビリオン建設の工期に懸念を示されました。今年の年末までに着工できれば間に合うとの日本国際博覧会協会(万博協会)の見解に対し、「何が根拠なのかわからない」との発言もありました。建設業界がある種の政府機関に直接、ここまではっきりと意見を伝えるのは珍しいのではないですか。

 直接意見を申し上げたわけではないですよ。そういうふうに(記事を)書かれていますが。

 万博協会さんから意見を聞かれたことはありますよ。十倉雅和会長(日本経団連会長)、石毛博行事務総長にお目にかかって、こうした問題があるということはお伝えしたことはあります。

――具体的に、どのような問題を伝えましたか。

参加国のパビリオン建設計画を巡って万博協会が迷走し、工事を請け負う側の建設業界は、とうとうしびれを切らした感がある。プレハブで建設するアイデアも浮上するが、それなら工期は必ず間に合うのか。また開催費用は、当初予定から約1.5倍に膨らみ、現在は1850億円と計画されている。ところが無理な突貫工事となれば、さらなる膨張は避けられない。そして、建設業界には24年度から残業規制が課されるが、万博の工事は対応可能なのか。宮本会長に詳しく聞いた。