「GPTなんて仕事に使えない」は早計
弁護士が教える正しい活用方法
「ChatGPTなんて信用できない。うその回答も多く、仕事には使えない」。
弁護士、税理士に限らず、こう考える士業の専門家は多いだろう。だが、その判断は早計だ。
AIで契約審査を行う「GVA assist」などを提供するGVA TECHの社長で弁護士の山本俊氏は、ChatGPTについて「想像力を補完し、当たりを付けるために使うものだ」と強調する。
医者に内科や外科があるように、弁護士にも専門がある。だが、弁護士は顧問先企業から未経験の分野や前例のない取引について相談をされた場合でも、想像力を駆使して解決策を模索しなければならない。社会には「弁護士なら法律のことは何でも知っている」という認識があり、未経験だからといって相談を断れば、「頼りない先生だ」と思われてしまう。
そんなときどうするかといえば、事務所にこもって過去の事例を調べたり、仮説を立てて顧問先企業にヒアリングしたりして、手間暇をかけて対応する。
しかし、これからはChatGPTに助けてもらえばいい。前出の山本弁護士は「未経験の分野の法的リスクについて仮説の構築を行うのは膨大な時間と頭を使うが、ChatGPTで“当たり”を付け、それについて深掘りしたり、ヒアリングしたりすれば、内容の濃い助言ができるし、時間も短縮できる」と指摘する。
もちろん、ChatGPTの活用に悩むのは士業の専門家だけではない。業界ごとに仕事の仕方には違いがあり、業務改善のためのプロンプトの作法が異なってくるのは当然のことだ。本特集では、コンサル、不動産、商社など業種別に現場で使えるプロンプトも解説していく。