トランプ前大統領Photo:Sean Rayford/gettyimages

トランプ氏、無罪を主張し「逆襲」
ニクソン元大統領の姿に重なる

 トランプ前大統領が国防や外交に関わる機密文書持ち出しに絡み、6月8日、連邦大陪審に刑事訴追された。

 機密指定された国防情報の所持が、スパイ防止法違反に該当するなどの37の罪状での起訴だった。

 だがトランプ氏は起訴後も、「自分は魔女狩りの犠牲者」と無罪を主張し、同氏が後押しするソーシャルネットワーク、トゥルース・ソーシャルに「(大統領に返り咲けば)真の特別検察官を任命し、米国史上で最も腐敗した大統領であるジョー・バイデン氏と、同氏の家族を追いかけさせる」と書き込み、「逆襲」の構えだ。

 大統領や閣僚の不正を捜査する特別検察官は、大統領の司法介入を排除するため特別な地位を与えられているが、これはウォーターゲート事件で当時のニクソン大統領が自らへの捜査を回避するために特別検察官を解任したことが教訓になっている。

 事件の後、米国では大統領の司法や立法などに対する行き過ぎた介入を防ぐさまざまな改革が行われた。

 大統領への返り咲きを目指すトランプ氏の言動を改めて見直すと、ニクソン氏の姿と重なるだけでなく、ウォーターゲート事件の後の改革にあらがう「帝王的大統領」への志向が浮き彫りだ。