「自己否定はいけない」という言葉が人を追い込む…悪魔のトリックに騙されるな!写真はイメージです Photo:PIXTA

「ネガティブな感情を抱く」という行為は、実は現実を変えるために必要なことだった。それは、自分にとって大切なものが手に入るためのプロセスなのだ――。これまでの常識を覆す心理メソッド「ストレスクリア心理学」の権威が、人生を良くする術を伝授する。本稿は、森優洵『9分で悩みが消える心理学入門』(かざひの文庫)の一部を抜粋・編集したものです。

現実を変えていくには
ネガティブな感情も必要

 私が開発した独自のメソッド「ストレスクリア心理学」は、なりたい自分になって思い通りに生きるための、究極の心の強化術です。

 まず、現実をしっかり変えていくためには、ネガティブな感情もポジティブな感情も、両方必要です。

「え?ネガティブな感情を抱くことや、痛みを感じたりすることはよくないのでは?」と思う人が多いかもしれませんね。でもそれは、間違いです。

 ネガティブ感情は、刺激が強い分、現実を変えるきっかけを起こしやすいという利点があります。ネガティブな感情もポジティブな感情も押し込めないほうが、結果的に現実の変化も早くなるのです。

 世間ではよく、「行動して変えられるものは、どんどん行動して変えていきましょう」と言われます。

 実際に、現実を変えたいときに行動を起こすのは、正しい方法です。でも、それがわかっていても、行動ができないという人が大勢います。

 なぜ、行動できないのでしょうか?それは、動いても結果が出ないことが多々あるからです。

 行動しても変わらない。努力しても努力しても変われない。これが続くと、お手上げになってしまって、やがては行動ができなくなってしまうのです。

 一方、自分で無理していることに気づかないまま、一心不乱に動き続けてしまうという人もいます。こういった人の場合、「一生懸命に行動しているのに、どうして結果が出ないのだろう」と自分を追い込むことになってしまいます。なかには、20年以上結果を追い求め続けてしまっている人もいました。

 このように、変わりたくても変わらない、うまくいかない無限ループに入ってしまった場合には、どうすればいいのでしょうか。なぜ人は、変わりたくても変われないのでしょう?

 それは、ネガティブな感情を正しく扱えないからです。これを解決できない限り、人は永遠に変わることができません。でも、わたしたちはネガティブな感情の正しい扱い方を知らず、扱い方を教えてくれるような先生もいませんでした。

 こう聞くと、もしかすると「カウンセリングやセラピーでは、ネガティブな感情を正しく扱えないのかな?」と疑問に思う人もいるでしょう。

 でもじつは、「ネガティブな感情を消しましょう」「ネガティブな感情はなくしましょう」「ネガティブがポジティブになれば解決しますよ」というカウンセリングやセラピーは、ポジティブシンキングにあたります。ネガティブ感情の扱い方を示すものではないのです。