「男の乳がん」をご存じですか?1000人に1人だからこそ怖い思い込み

                 出典=国立がん研究センター https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/cancer/14_breast.html

 しかも「男は乳がんにかからない」という思い込みから病院に行くのが遅れ、診断がついたときには、進行していることが多いそうです。

入浴時に洗面所で
セルフチェックを心がける

「乳首の周りやリンパ節に明らかに触ってわかる大きさのしこりがある状態で精密検査を受け、ステージ2から3というケースが多い」

 そんなケースを減らすためには、確率は低いが男性でも乳がんになるということを日頃から意識する必要があります。

 早期発見できるようにするには、女性と違ってマンモグラフィーなど定期的なスクリーニング検査がないため、自分で観察や触診をすること。自己チェックの方法は女性の乳がんとほぼ同じです。

「お風呂に入ったときや洗面所などで、できれば鏡を見ながら、自分の体表を観察し、乳房に注目して見た目や形がおかしくないか、膨らんでいるところがないか、左右差やしこり、こぶのように盛り上がっているところがないか、チェックしてみてください。胸を指で引き寄せるようにして触ってみると、しこりがあるかどうかはわかりやすいです」

 皮膚が引きつれたり陥没したりし、見た目でパッと分かる場合も。表面にがんがある場合は、皮膚が赤くなり変色してくるそうです。

「乳房にしこりの異常がない場合でも、腋のリンパ節が腫れてきて、気づく人もいますので、腋のところにゴリゴリとしたしこりはないかも、チェックしてください。日頃からこうしたチェックをしていないと、もともと硬いところがあってずっと変わっていないのか、新しくしこりができたのか、その変化はわかりません。まずは自分の体に関心を持ってほしいですね」

 もし、しこりらしきものを見つけたら、乳腺科の医師の診断を受けるのがベスト。しかし、男性は乳腺科に行くのに抵抗感のある人がいるでしょうから、その場合は、外科の病院に行って相談するのがいいそうです。