罹患率が上がるのは60代から
肥満や肝疾患もリスク因子

 また、ブラザーコーンさんも67歳で乳がんが発覚したように、他のがん同様、加齢もリスク要因になります。

「女性の乳がんにかかる人数は、年齢的に2つのピークがあって、ひとつは40代ぐらい、その後60代ぐらいのピークがあります。男性の乳がん罹患率はずっと低いのですが、年齢とともにやや上がってきて、60代、70代で多くなりますので、特に注意してください」

 長年生きていると、どうしても体の中のエラーが多くなり、がんにかかる確率も上がってきます。なるべく、がんにかからないよう気をつけられることはあるのでしょうか。

「女性ホルモンのエストロゲンにさらされている環境が乳がんになりやすいのではないかということも言われていますから、男性でそうなる要素としては肥満や肝疾患あります。そこはやはり気をつけないといけないし、がん全体に言えることですが、お酒とタバコもリスク因子です。また、日常的に適度な運動をすることも大事です」

 男性にとっては希少がんでも、女性ではメジャーながんであり、それだけに治療法も確立されている乳がん。早期発見さえできれば、それほど恐れる必要はなさそうです。

(監修/米盛勧 国立がん研究センター中央病院腫瘍内科科長)