社会人になってから相当の時間を英語に費やしているのに、ことスピーキングに関しては成長できていない人は、「イメージする力」を侮っていないだろうか?「想像力」が英語学習で有効な裏付けを紹介しよう。また、間違ったアプローチで学習しているがゆえ効果が上がらない残念な人とは?改善法も解説する。(パタプライングリッシュ教材開発者 松尾光治)
マニュアル思考で英語学習はNG
頭が固すぎるとスピーキングは伸びない
英語の習得には「想像力」が大切な役割を果たしている。特にスピーキングにおいてはそうだ。あなたも、次のようなアドバイスを見聞きしたことがあるのではないだろうか?
◆音読や例文暗記は場面や内容を想像してイメージを描き、自分がその場にいるように気持ちを込めて行うことが大切。
◆会話文は、登場人物になりきって(=登場人物になった自分をイメージして)練習しよう。
どちらも全くその通り。ところが、こうしたアドバイスを率直に受け入れられないタイプもいる。
これは筆者の偏見を含むが、英語そのものにはあまり関心はなく、本格的に英語学習に取り組み始めた理由も「仕事に必要だから仕方なく」。テクニックを駆使して、まずはTOEICのスコアをそれなりのところまで上げた――こういうタイプだ。まるで数学を学ぶように英語に取り組み、どちらかというとマニュアル思考で成果を上げるので、「気持ちを込めて」とか「会話の登場人物になりきって」などと言われても真剣になれなかったり戸惑ったりしてしまう。
こういう人は、英語習得に関しては「頭が固すぎる」だろう。英語学習の中で想像力を発揮し、遊び心を持ち込むことができずに、スピーキングが伸びない。
あなたはどうだろう? もし、社会人になってから相当の時間を英語に費やしているのに、ことスピーキングに関しては目立った成長を実感できていないのならば、「イメージする力」を侮っていないだろうか?
今回は、イメージする力が英語学習で有効な学術的な裏付けを紹介したい。また、鉄板学習方法にもかかわらず間違ったアプローチで行っているがゆえ効果が上がらない残念な人を指摘するとともに、改善法も伝えよう。