旧統一教会の問題で注目を集めたのが、宗教と政治の濃密な関係だ。支持政党を持つ創価学会と幸福の科学は、それぞれの事情から没落の危機に直面している。特集『巨大宗教 連鎖没落』(全20回)の#6で宗教系政党の行く末を占う。(ダイヤモンド編集部特別取材班)
独自試算!公明比例票が600万割れの現実味
創価の伝説「常勝関西」が風前の灯
「宗教の前に人の道がある!」。公明党に対し、かつてこう言い放ったのは2014年当時の大阪市長、橋下徹氏だ。
橋下氏率いる大阪維新の会は当時、大阪都構想の実現にまい進。賛否を問う住民投票の実施には大阪市議会の維新・公明を合わせた過半数の可決が必要だったが、公明市議団が反発。「約束違反だ」とぶち切れた橋下氏が、公明現職の衆議院議員選挙区に自ら立候補する構えを見せたのだ。
今年、これと似た公党同士の小競り合いが起きた。次期衆院選の東京28区(練馬区東部)への候補者擁立を巡って自民と公明が対立し、「自公の信頼関係は地に落ちた」(石井啓一・公明幹事長)との発言まで飛び出した。
その後、自公は選挙協力の合意文書を交わし、表向きは亀裂を修復した。手打ちの背景には、「友党の自民と内輪もめしている場合ではない」(公明議員)との事情がある。
それが「常勝関西」の危機だ。
14年当時は公明が譲歩して維新との対決を回避したが、次期衆院選は全面対決が必至だ。そもそも公明の力の源泉である集票力に陰りが見え始めている。ダイヤモンド編集部が独自に予想した公明の得票数を次ページで公開する。