変化が激しく先行き不透明の時代には、私たち一人ひとりの働き方にもバージョンアップが求められる。必要なのは、答えのない時代に素早く成果を出す仕事のやり方。それがアジャイル仕事術である。『超速で成果を出す アジャイル仕事術』(ダイヤモンド社)は、経営共創基盤グループ会長 冨山和彦氏、『地頭力を鍛える』著者 細谷 功氏の2人がW推薦する注目の書。著者は、経営共創基盤(IGPI)共同経営者(パートナー)でIGPIシンガポール取締役CEOを務める坂田幸樹氏。業界という壁がこわれ、ルーチン業務が減り、プロジェクト単位の仕事が圧倒的に増えていくこれからの時代。組織に依存するのではなく、私たち一人ひとりが自立(自律)した真のプロフェッショナルになることが求められる。本連載の特別編として書下ろしの記事をお届けする。

【海外で活躍するコンサルが教える】3か月で英語が話せるようになる驚きの練習法Photo: Adobe Stock

インプットに膨大な時間をかけていないか

 皆さんは英会話を身につけるときに、どのように勉強していますか。英会話のテキストを読んだり、英会話学校のグループレッスンに参加したりと、英会話を身につける方法はたくさんあります。

 それらを否定するつもりはありませんが、インプットが中心の勉強法だという点は否めません。

 たとえば、テキストを読んだだけで満足してしまっては、英会話はできるようにならないでしょう。生徒が4人で60分のグループレッスンでは、実際に1人の生徒が話している時間は、先生が話をしている時間を除けば10分程度でしょう。

 また、同じレベルの生徒が話している内容を聞いていても、リスニングの練習にもならないでしょう。

アウトプットしなければ、話せるようにはならない

 言ってしまえば当たり前のことですが、聞いたことがないフレーズは聞き取れませんし、口にしたことがないフレーズが会話の中で突然話せるようになることもありません。英会話を身につけるには特に、アウトプットすること。つまり自分で言葉を発することが極めて大切です。それらを練習するための効果的な方法を2つ紹介しましょう。

 1つ目は、シャドーイングです。どのような内容でもいいので、聞いたものを復唱する練習を繰り返しましょう。できるだけ同じものを繰り返すことで、フレーズが自然と出てくるようになります。たとえば、私はスティーブ・ジョブズのスタンフォード大学の卒業式でのスピーチを100回以上シャドーイングしています。

 2つ目は、ひとり言の完全英語化です。考えたことをすべて英語化する練習を積めば、表現の巧拙を除けば、理論上自分の言いたいことは、なんでも英語化できることになります。私は大学時代に3か月間、シャドーイングに加えてすべてのひとり言を英語化したら、すぐに英語を話せるようになりました。

実践で話す機会を設けることで、定着を図る

 このような話をすると「ストイック過ぎて自分には到底できない」と言われることがほとんどです。しかし、語学は短期間で一気に習得しないと身につきません。日本人は学校で10年程度英語をインプットした素地があるので、必要なのはアウトプットの練習だけです。

 だからと言って、週に一度英会話スクールに通っても、話せるようにはなかなかなりません。アウトプットの量が圧倒的に不足しているからです。

 3か月間シャドーイングとひとり言の完全英語化をやった後は、海外旅行でも外国人の友人とでも、仕事でもいいので、英語を使う機会を作って定着を図りましょう。

 間違っても、シャドーイングとひとり言の完全英語化の前に、これらを実践してはいけません。

アジャイル仕事術』では、素早くアウトプットする方法以外にも、働き方をバージョンアップするための技術をたくさん紹介しています。

坂田幸樹(さかた・こうき)
株式会社経営共創基盤(IGPI)共同経営者(パートナー)、IGPIシンガポール取締役CEO
早稲田大学政治経済学部卒、IEビジネススクール経営学修士(MBA)
大学卒業後、キャップジェミニ・アーンスト&ヤングに入社。その後、日本コカ・コーラ、リヴァンプなどを経て、経営共創基盤(IGPI)に入社。現在はシンガポールを拠点として日本企業や現地企業、政府機関向けのプロジェクトに従事。細谷功氏との共著書に『構想力が劇的に高まる アーキテクト思考』(ダイヤモンド社)がある。『超速で成果を出す アジャイル仕事術』(ダイヤモンド社、2022年6月29日発売)が初の単著。