そして、普段、自分が無意識にしていることは、自分で当たり前だと感じています。でも人から見たら、決して当たり前ということはありません。

 たとえば、自分は「人と話すこと」が好きだとしても、それは誰にとっても当たり前ではありませんよね?「親しみやすい」という特徴は、だれでも持ち合わせているものではありません。

 こういう特徴は、人からはすぐにわかりますが、自分自身では本当にわかりにくいものです。

 自分は何が好きで、何が向いていて、何ができるのか?

 この3つの軸の要素を自分でわかるほど、自分のことがよくわかり、自分を活かしていけます。そのデータを知っている上で、仕事にフル活用した方が近道です。

いちばん大事なのは、ワクワクの「○○」

 天職にとって大切な3つの軸のなかでも、一番大事なのが「ワクワク」です。

「ワクワクは何か?」ということを見ていくときに、よく陥りがちなことがあります。

 たとえば、こんな方がいます。

「音楽が好きで、音楽業界に行ったのに、なぜかワクワクしない……」

 音楽が好きだから音楽業界に行ったのに、不思議ですよね。これは結論から言いますと「ワクワクの本質」に触れていないからです。

 ワクワクの本質を探るには、「それのどんなところが好き? どんなところが魅力? どんなところが醍醐味?」という質問をしていく必要があります。

 たとえば、音楽が好きな人でしたら、「音楽のどんなところが好き?」と聞くのです。すると、こんな答えが返ってくるかもしれません。

 自分を表現できるから。晴れの舞台に立てるから。癒されるから。元気づけられるから。作詞・作曲など、自分でゼロから作り上げられるから。バンドなど、みんなで協力してできるから。目立てるから(笑)。など、さまざまです。

 でもたいていの人は、「音楽そのもの」というツールしか見ていません。