日本全国で水道管の劣化が進み、更新が間に合っていない。日本の水道は危機的な状況にあり、このままでは水道料金の値上げも免れない。ここに至ってしまった大きな原因の一つが、あまりにも非効率な水道管理の方法にある。その現状をお伝えするとともに、今後の打開策を探る。(ライター・編集者 井澤 梓)
50年使用した水道管が
破裂して道路から水が噴出
更新時期を超えても更新されない水道管が増えている。2023年9月9日には、大阪府箕面市の水道管が破裂。道路から水が吹き出し、周辺の住宅約150戸が、4時間半にわたって一時断水し、周辺の道路も通行止めになるという事故が発生した。この水道管は、設置から50年がたっていたという。
水道管の老朽化による事故を未然に防ぎ、安全な水インフラを守るには、水道料金の値上げもやむ得ない現状だが、値上げを少しでも食い止める方法はないのだろうか。
水インフラの持続と官民連携などについて取材・情報発信を続ける一般社団法人Water-n代表理事の奥田早希子氏に、対策を聞いた。
「水道の課題の解消には、二つのポイントが考えられます。一つは、インフラ管理の効率を上げること。もう一つは、インフラの量を削減することです」