まず、値下げの金額、割合を確認しましょう。

 この例で、2000円の値下げを提案された場合は、その提案を了承してはいけません。こちらの負担が大きくなりすぎます。

 当面3年間ほどは、おおむね400円、つまり支払っていただく金額のおおむね2%が妥当です。2%を目安として交渉しましょう。取引先の負担が増えるのはおおむね2%だからです(厳密に計算すると、負担額は変わってきますが、おおむね2%でいいでしょう)。

 交渉内容によっては、1%ずつ折半するという考え方もあるでしょう。経費2000円を200円にするということです。

取引先に聞いたほうがいいこととは?

 ただし、この話は、取引先が消費税の原則課税である場合のみに当てはまります。もし、先方に聞けるのであれば、「原則課税ですよね?」と確認してみるのもいいでしょう。

 原則課税でなければ(売上規模が5000万円以下であれば、簡易課税である可能性もあります)、値下げの根拠もなくなります。インボイスに限らず、お金の話は大事なこと。堂々と交渉、相談しましょう。

(本原稿は井ノ上陽一著『【インボイス対応版】ひとり社長の経理の基本』から一部抜粋・追加加筆したものです)