マツダの“夢の結晶”である
ロータリーエンジンの“らしさ”とは
マツダといえば、ロータリーエンジン。これは、ロータリーエンジン誕生から50年以上続く、マツダから想起される代表的なイメージ・認識のひとつである。ロータリーエンジン特有の数々の困難な技術問題に開発陣が総力を挙げ立ち向かい、見事に解決してきた。長年、“夢のエンジン”といわれたロータリーエンジンを実用化・量産化に成功し、さらに時代の要求に合わせて進化・発展させてきた唯一の自動車メーカーがマツダだからである。
そのロータリーエンジンが生み出す、レシプロエンジンでは得られない独特のフラットでスムーズな走行フィーリングは、多くのファンを魅了してきた。そして、その開発精神は“飽くなき挑戦”としてマツダのクルマづくりのスローガンとなっていく。
そんなロータリーエンジンが自動車エンジンの主流にならなかった要因は、マツダ以外の自動車メーカーが早々に諦めてしまったというのもあるが、ロータリーエンジンは内燃機関の熱効率上、レシプロエンジンに劣るからという理由が大きいだろう。乗用車の常用領域での低速トルクが少なく、燃費が劣ってしまうからだ。これは構造上の特性であるから仕方がない。