マツダ「新型ロータリーエンジン」専用工場を見学!“匠”による手作り感は今も強かった1971年発売のサバンナクーペ(写真はGS)。最初に搭載されたのは10A型ロータリーエンジン。

 しかし、だからといってロータリーエンジンが生きる道がなかったかといえば、それは「NO」だ。本来、マツダが考えるロータリーエンジンの目指すところは、レシプロエンジンと張り合って勝つことではなく、ロータリーエンジンでしか実現できないことを追求すること。つまり、ロータリーエンジンが“活きる”形を確立するべきであると、マツダはそれを十分に理解していた。

マツダ「新型ロータリーエンジン」専用工場を見学!“匠”による手作り感は今も強かった1978年にはサバンナRX-7が発売。フロントミッドシップならではの低くてシャープなフロント、空気力学を重視した低く大胆なウェッジ型ボディが特徴だ
マツダ「新型ロータリーエンジン」専用工場を見学!“匠”による手作り感は今も強かった初代サバンナRX-7の12A型ロータリーエンジン

 事実、ロータリーエンジンは、これまではコスモスポーツやRX-7、RX-8のようなスポーツカーのパワーユニットとすることで、その“ロータリーらしさ”を存分に発揮してきた。

 その“ロータリーエンジンらしさ”とは何か。それはシンプルな構造で軽量・コンパクト・高出力、低振動・静粛性の高さである。そして、搭載性の高さによるパッケージングデザインの自由さも相まって、運動性能やステータスが求められるスポーツカーにうってつけのパワーユニットであるということだ。