足りない部分はAIが想像して描き足し拡張
「拡張塗りつぶし」が無料で使えるClipDrop

 ClipDropは手軽な画像生成AIツールとして人気だが、最新機能として「Uncrop」が加わった。「拡張塗りつぶし」とも呼ばれるこの機能は、写真の縦横比を変えたいときに背景を補ったり、撮影済みの写真の画角を広くしたりする場合などに大変便利である。前出のAdobe FireflyのWebアプリ版にはなく、筆者の知る限り、高機能的なグラフィックツールでも有料プランでしか利用できなかった。そのため、ClipDropの無料機能として利用できるのは大変ありがたいといえる。

※編注…Adobe Fireflyの「生成塗りつぶし」とは似て非なる機能。同アプリには「画像を拡張」という機能も紹介されており、将来的に使えるようになる可能性もあるが、2023年10月19日現在は利用できない。

 Uncropの利用方法は簡単。拡張したい画像をアップロードして、拡張のための枠をドラッグするか、直接、数字の入力でサイズを決め、「次へ」ボタンで生成するだけだ。

 ここでは、SFタッチのポートレートイラストと、寝ている猫の水彩画風イメージを加工してみたが、どちらも元画像の雰囲気を生かして自然な拡張が行われている。

様々な画像生成ツールを用意しているClipDropさまざまな画像生成ツールを用意しているClipDrop。最新機能として加わった「Uncrop」(拡張塗りつぶし)は、無料で使える便利機能である 拡大画像表示
SFタッチのポートレート(縦型)画像を、縦横1024ピクセルの正方形の画像に拡張してみたSFタッチのポートレート(縦型)画像を、縦横1024ピクセルの正方形の画像に拡張してみた。数パターンの候補が表示されるので、より自然なものを選ぶといい 拡大画像表示
水彩画風のランドスケープ(横型)画像を、同じく縦横1024ピクセルの正方形の画像に拡張してみた水彩画風のランドスケープ(横型)画像を、同じく縦横1024ピクセルの正方形の画像に拡張してみた。元画像にはない山などが描き足され、元の雰囲気を残したまま、うまく拡張されている 拡大画像表示

 画像を作りたいというニーズがないと画像生成AIを使う機会はあまりないかもしれないが、既存の画像を目的に応じて加工したい、ということであれば、画像生成AIを使ってみたいと考える人も増えるのではないだろうか。身近なところでは、プレゼンや社内報などに利用する画像の縦横比を目的やレイアウトに応じて変更するなどの用途が考えられるが、こうしたツールに親しむうちに、自分なりの使い方や業務での利用法も自然に出てくるだろう。まずは使い始めてみることをおすすめしたい。