新NISA 徹底活用#2Photo by Masato Kato

7月につみたてNISA向けインデックス投資信託として「はじめてのNISA」シリーズを投入、世界株投信の信託報酬が0.05775%という業界最低水準の商品を設定した野村アセットマネジメント。三菱UFJアセットマネジメントが即座に追随したが、先手を打って“三菱超え”の料率を設定した狙いは何か。特集『新NISA 徹底活用』(全15回)の#2では、今後さらに対抗する考えがあるのか、小池広靖社長を直撃した。(ダイヤモンド編集部 岡田 悟)

「週刊ダイヤモンド」2023年11月4日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

新NISAはお金に対する日本人の振る舞いを変える
一過性の投資ブームにはしない

――少額投資非課税制度(NISA)の投資枠が来年から大きく拡充され、恒久化します。期待感を教えてください。

 われわれにとって、これまでにない大きなチャンスです。特に年間240万円まで投資できる成長投資枠は、富裕層の方々にもご利用いただけるメリットがあります。高齢の方なら積み立て投資ではなく、配当、分配金、利息などインカムゲイン中心の商品を買っていただくなど、多くの方に活用していただきたいと思います。

 NISAの拡充は、これから何年もかけて日本人のお金に対するビヘイビア(振る舞い)が変わっていくスタートになると思います。ここ1、2年で何をするということではなく、一過性のブームで終わらないように、カルチャーの変革に取り組んでいきたいと考えています。

――野村アセットマネジメント(AM)は信託報酬が国内最低水準の0.05775%の商品を含む「はじめてのNISA」シリーズの投資信託を7月に設定しました。

これまでインデックス投資信託の信託報酬の引き下げ競争とは距離を置いてきた野村AM。だが7月、国内最低水準となるインデックス投信をつみたてNISA向け商品として投入し、三菱UFJアセットマネジメント(MUAM)が9月に追随することとなった。最低水準に挑んだ小池社長の狙いは何か。また、金融庁が求める運用業界の高度化に向けた取り組みについても聞いた。