損保ジャパン出身の高橋薫氏が
ソニー生命の社長に就任
――同じ保険業界とはいえ、損害保険業界の出身者が生命保険会社の社長に就任するというのは、かなりの驚きでした。
自分自身でも驚いています。何より生命保険事業は奥が深いですよね。また生保各社のビジネスモデルが違うため戦略性が高いのも特徴です。しかも、持ち株会社のソニーフィナンシャルグループをソニーグループ本体から分離して株式上場させるパーシャルスピンオフも控えており、中核会社であるソニー生命がどうやって成長していくかが問われるわけです。社長に指名いただいたことは素直に嬉しく思いますが、責任の重さを痛感しています。
――ソニーフィナンシャルの社外取締役に就任された際、いずれソニー生命の社長にという話はあったのですか。
2020年からソニーフィナンシャルグループの社外取締役となり、昨年6月からソニー生命の準社外取締役のようなかたちで関わるようになりました。ソニーフィナンシャル前社長の岡(昌志)さんから「取締役会で意見を言ってほしい」と頼まれたからですが、社長含みだったというわけではありません。損保業界が長いため、生保業界との構造の違いや特徴が浮き上がって見える部分があり、そうした視点が新鮮だったのかもしれませんね。
――ソニー生命についてどのように見ていますか。
ソニー生命として創業来40年超にわたって培ってきたライフプランナーモデルは完成されており、ここまでのポジションを築いたことは素晴らしいことだと思っています。お客さまのために新しいことにどんどんチャレンジする、盛田昭夫さんによる創業の精神は脈々と引き継がれていますし、年を経るにつれて強くなっているように感じます。
もっとも生保業界は今後、人口減少や社会環境の変化によって保有契約が純減するときがいずれやってきます。今のままでは、解約失効に対して新契約で賄い切れないときが来ます。生保は毎年の積み重ねであり息の長いビジネスですので、今から準備しておかねばなりません。
――完成されたライフプランナーモデルを変えるのは大変だと思います。どのように変えていかれるおつもりですか。