短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を徹底研究してきた人物がいる。東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。「20年に一冊の本」とミリオンセラー会計士に絶賛された『売上最小化、利益最大化の法則』に続き、「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題となっているのがベストセラー『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』だ。【がっちりマンデー!!】SNSで「ニトリ」似鳥会長と「食べチョク」秋元代表から「2022年に読んだオススメ本3選」に選抜された。本稿では、本書より一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を紹介する。
なぜ、付き人は師匠を超えられないのか?
あるところに抜群の成果を上げた人がいたとしよう。
その人を少し離れたところから見ている人は、成功者として尊敬し、学ぶことができる。
だが、成功者のすぐそばにいる人は、その人のすごさが学べなくなる。
いくら成功者といっても人間だ。
全体の2割がすぐれていて、8割は普通、もしくは悪い部分もある。
距離が近すぎると8割の部分に目がいき、2割が見えなくなる。
カリスマのように思っていた人に対し、「なんだ、意外と大したことないな」「この人がうまくいったのは『運』じゃないか」「この人がこれだけ成功したなら、自分も時間が経てば同じように成功するんじゃないか」という気がしてくる。
2代目社長のジレンマ
これではせっかく近くにいても学べなくなる。
2代目社長の中には、「成功者に近づきすぎると学べなくなるジレンマ」に陥ってしまう人が多い。
「世間で父親は伝説の経営者といわれているけれど、うちでは酒を飲んでゴロゴロしているだけじゃないか」
「こんな親父でもできたんだから、俺ならもっとすごいだろう」
という具合だ。
芸能界では、師匠と寝食をともにする弟子が師匠を追い越すことはめったにない。
弟子は師匠を一人の人間として見ている。
近づきすぎて、師匠の芸のすごさが客観的に見えなくなってくるのだろう。
一方、歌舞伎など伝統芸能の世界や財閥系企業などでは、この法則を理解しているから、体系的に教育するしくみがある。
幼いときから親子で一定の距離を保ち、敬語で話し、伝統芸能や帝王学を学ばせるのだ。
(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)