「大人の学び直し」がブームになって久しい。転職や副業、定年後の仕事などを目的として個人で学び直しをする人も多い。その一方で「学びをどう生かしていいかわからない」「そもそも何を学べばいいかわからない」と、次々とセミナーや講座を渡り歩く“学び直し迷子”になってしまう人もいます。(フリーライター 村田幸音)
「どう仕事に生かすか」がなく
学ぶこと自体が目的に
家族、友人、知人などで、50代に入ってから「学び直し」をする人が急激に増えている。実は筆者も「学び直し」経験者のひとり。51歳でライターへ転身後、仕事を広げるためいくつかの講座で学んだ。学び直しで挫折してしまう人と成果を出せる人の違いはどこにあるのか。
セミナーや講座を渡り歩く人の多くは、学ぶことが目的となってしまっている。それ自体は決して悪いことではない。そもそも、自分が学びたいと思ったことに取り組み、それを極めていくのが大人の学びである。
しかし、仕事に生かすために学んでいるのならば話は別だ。「どのようなカタチで仕事に生かすか」をイメージせずにやみくもに学んでいると、学び直しの目的を見失い、迷子になってしまうことも多い。
学ぶことは、良くも悪くも充実感を得られる手段である。その充実感を再び感じたくて、セミナーを渡り歩く人もいる。本来、その充実感は学びを仕事で生かすことで得るのが正解なのだが、最初からそううまくはいかない。自信がなくて踏み出せないという人もいるだろう。
そこで「学びを深める」という目的で次のセミナーを受講する。しかし、受講後の仕事のイメージを具体的に描けないままでは、せっかくの学びを生かす場がない。そのため、次々とセミナーを渡り歩いてしまっている可能性は高い。