料理と同じで、調理しながら
出来上がりのイメージは必須

 転職や副業、定年後の仕事などを目的として個人で学び直しをするのなら、その先の時間を「理想」や「憧れ」ではなく、シンプルに「現実的な未来」だと認識すると良い。学び直しの時間は、そのための手順のひとつである。

 料理を作る場面を想像してほしい。メニューを決め、材料を揃え、下ごしらえをし、調理をする。はじめから料理の出来にばかり気を取られていては、いつまでたっても出来上がらない。かといって、出来上がりを想像していなければ準備はできない。

 料理が出来上がるまでには、様々なトラブルがあるかもしれない。望んでいた材料が手に入らなければ代替品を用意すればよいし、調理の順番を間違えたならリベンジできる対策と工夫をしてゆけばよいだけである。失敗した自分を否定する必要はどこにもない。

 目の前の工程に集中し継続すれば、料理は必ず出来上がる。有名シェフがつくるような料理ではないかもしれないが、いつかは自分らしく納得のいく料理がつくれるようになるはずである。

 最後に、継続する中で、ぜひやって欲しいことがある。その学びを仕事としている人との接点をつくることだ。誰かに紹介してもらっても良いし、セミナーの講師と直接話す機会をつくっても良い。

 食べたことがないメニューをつくるより、盛り付けをみて味わったことがあるメニューの方が、よりイメージを膨らませて調理できるのと同じである。具体的なイメージができるほど、学びの先の未来が現実的な明日となるものだ。その上で、自分らしい方法を理解し力を抜いて取り組むことで、学びの成果が未来へと繋がるはずである。