成長率トップはAirbnb
自動車とラグジュアリーが急成長

 総合ランキングトップ3は、アップル、マイクロソフト、アマゾンだった。アップルは11年連続で第1位の座を維持。ブランド価値が5000億ドルを突破した初めてのブランドになった。

 そんな中、今年最も高い成長率を示した企業は、総合ランキング46位の民泊サービスAirbnbだった。昨年ランキングに入ったばかりにもかかわらず、ブランド価値は対前年比21.8%増加し、昨年の54位から46位に躍進した。ブランドへの力強い投資と堅実な財務見通しによるもので、22年の売上高は21年比40%増加、23年は22年に比べてさらに13%の増加が見込まれている。

 成長率2位は、総合ランキング47位のポルシェで、ブランド価値は前年比20%増加した。今年で75周年を迎えた同社は、「Driven by Dreams」(夢を追い続けるすべての人を応援するスポーツカーメーカー)というビジョンを掲げており、業界を超えたパートナーシップも注目されている。

 成長率3位は、総合ランキング32位のヒョンデ(Hyundai、現代)で、ブランド価値は前年比18%増加した。同社のIONIQ5とIONIQ6が自動車業界で最も権威のある賞「World Car of the Year」を2年連続で受賞。米国での販売台数がTesla(27%)に次ぐ2位で、電気自動車(EV)市場シェアの14%を占めている。

 全体的に見ると、自動車ブランドとラグジュアリーブランドが急成長したことが分かる。自動車ブランド全体のブランド価値は対前年比で9%増加、ポルシェ(47位)、ヒョンデ(32位)、フェラーリ(70位)はいずれも2ケタ成長を果たし、最も成長を示した上位5つのブランドのうち3つを自動車ブランドが占めている。

 ラグジュアリーブランドは今年、ブランド価値を6.5%増加させて再びトップクラスとなった。ラグジュアリーブランドの回復力に加え、カテゴリーを超越してレストランやホテル、ポップアップ店などでプレミアム体験を生み出した成果といえる。

 エルメス(23位)、ディオール(76位)は今年、ブランド価値をそれぞれ10.2%、8.4%増加させ、ラグジュアリーブランドで最も伸びた2つのブランドとなった。

日本企業トップはトヨタ
ホンダ、ソニーも健闘

 続いて、グローバル・ブランドランキングトップ100にランクインした日本企業のうち、トップ3の評価ポイントを見てみよう。

 日本企業トップは、総合ランキング6位のトヨタで、ブランド価値は645億ドル(前年比8%増)だった。昨年と同順で、自動車ブランドの最高位を20年連続で獲得している。品質報告書において常に高い評価を得ており、NPOのコンシューマー・レポートでは、22年末に実施した調査において、トヨタ、レクサス、BMWが米国で最も信頼できる自動車ブランドだと評価された。

 次点が総合ランキング27位のホンダで、ブランド価値は244億ドル(前年比7%増)だった。ソニー、GSユアサ、半導体メーカーTSMCなどと協力関係を拡大。中核部品のサプライチェーンをコントロールするとともに、グローバルなEV市場での存在感向上を目指している。

 日本企業3位は、総合ランキング36位のソニーで、ブランド価値は191億ドル(前年比12%増)だった。国内メーカー初のQD-OLEDパネルを搭載したフラッグシップ4K有機ELテレビを発表。金融領域でもクリエティブセンターによるリブランディングを開始するなど、ソニーらしいパーパスの実現に着実に取り組んでいる。