ソニー・ホンダの逆襲#2Photo:Bloomberg/gettyimages

業績好調なソニーグループの中で、“祖業”エレキ部門が焦燥に駆られている。近年はウォークマンのような大ヒット商品を出せておらず、低迷から抜け出せていない。かつてのような「人減らし」に踏み切る日が訪れるのか。特集『ソニー・ホンダの逆襲』(全18回)の#2では、データや関係者の声を取り上げながら、ソニーエレキ部門の抱える重大な課題に迫る。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)

ヒット作が生まれなくなったソニー
成長停滞で「人員削減」が再来か

 絶好調のソニーグループの中で、焦燥に駆られる部門がある。

 ソニーは、2023年度の中間決算(4~9月)ではゲームなどエンターテインメント事業の成長が業績をけん引し、この時期としては過去最高となる5兆7900億円もの売上高をたたき出した。ところが、ゲームや半導体など、他部門が成長を遂げる中にあって、“祖業”エレキ部門は「稼ぐ力」が低迷しているのだ。

 その停滞ぶりは、かつて一世を風靡したウォークマンのような大ヒット商品が出てきていないことにも表れている。次ページで詳しく分析するが、苦境にあえいでいたときに実施した「人減らし」策が取り沙汰される事態になっている。

 次ページでは、データや関係者の声を取り上げながら、ソニーエレキ部門の抱える重大な課題に迫る。かつてのようなリストラの「大なた」が再び振られることはあるのだろうか。