ソニー・ホンダの逆襲#9Photo:Bloomberg/gettyimages

EV(電気自動車)や自動運転の普及は、自動車産業にとてつもないインパクトを与える。エンジンやハンドルが不要になる一方、車載センサーの数は急増し、バッテリーは大型化する。激変する自動車業界を生き抜く企業はどこなのか。特集『ソニー・ホンダの逆襲』(全18回)の#9では、ダイヤモンド編集部が独自に作成した、半導体を含む自動車関連企業の「存亡ランキング」をお届けする。(ダイヤモンド編集部副編集長 千本木啓文)

ハンドルがなくなる時代に生き残る企業は?
独自ランキングで、ホンダがまさかの大健闘

 10月26日~11月5日に開催された「ジャパンモビリティショー(JMS)2023」には、過去最多となる475社が出展し、未来のモビリティの楽しさや、自社の技術の優位性をアピールしてみせた。イベント自体は盛況のうちに幕を閉じた。

 だが、475社のうち、いったい何社が10年後も自動車関連事業を続けていられるだけの投資を行っているのか、という疑問を禁じ得なかった。

 自動運転でハンドルが要らなくなる時代に、どのような製品で生き残るのか、明確なビジョンを持っている企業は多くない。

 そこで、ダイヤモンド編集部では、設備投資や研究開発投資を機動的に実行できる財務力とマネジメント力を備えた企業を将来性の高い企業として評価。JMSに出展した自動車メーカー、半導体を含む自動車部品メーカーなど236社を対象に「生き残り力」ランキングを作成した。

 過去の同種のランキングでは日本上場企業のみを分析の対象にしてきたが、今回は海外上場企業も対象とした。

 作成方法の詳細は下の「ランキングの見方」に譲るが、ランキング作成に当たって、特に重要視したのは以下の3種類のデータだ。

●企業の基礎的なデータ:年平均売上高成長率、営業利益率

●事業の拡大意欲を表すデータ:設備投資額、売上高設備投資率

●将来への投資意欲を表すデータ:研究開発費、売上高研究開発費率、フリーキャッシュフロー

 これら七つの指標を用いて、企業の実力値とポテンシャルを総合的に評価した。次ページでは、100年に1度の大変革期を迎えた「自動車・半導体・自動運転236社」の生き残り力ランキングを全公開する。