EVや自動運転の普及は、これまで自動車に縁がなかった企業にとって千載一遇のチャンスとなる。運転から解放されたドライバーや同乗者が、車内でゲームを楽しんだり、リラックスしたりする「移動体験」という新たな市場が生まれるからだ。特集『ソニー・ホンダの逆襲』(全18回)の最終回では、新市場の出現というチャンスを物にできそうな「有望銘柄ランキング・ベスト56」をお届けする。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)
GAFAMが独占するランキング上位に
食い込むソニー、カプコン、任天堂の順位は?
自動車の価値は、「車を操る楽しさ」から「車内のエンターテインメント」など移動体験にシフトする。ソニーとホンダのEV開発会社、ソニー・ホンダモビリティのように、ゲームや映画、音楽などのコンテンツの提供はもちろん、VR(仮想現実)ヘッドセットなどを活用した新しい楽しみ方を提案する企業が急増するだろう。
新たに誕生する車内のエンタメをはじめとした移動体験市場というチャンスを物にできる企業はどこなのか。
ダイヤモンド編集部では、設備投資や研究開発投資を機動的に実行できる財務力とマネジメント力を備えた企業を将来性の高い企業として評価。コンテンツを提供する企業や、VR、AR(拡張現実)、MR(複合現実)の技術を持つ56社を対象に「有望銘柄ランキング」を作成した。
過去の同種のランキングでは日本上場企業のみを分析の対象にしてきたが、今回は海外上場企業も対象とした。
作成方法の詳細は次ページの「ランキングの見方」に譲るが、ランキング作成に当たって、特に重要視したのは以下の3種類のデータだ。
●企業の基礎的なデータ:年平均売上高成長率、営業利益率
●事業の拡大意欲を表すデータ:設備投資額、売上高設備投資率
●将来への投資意欲を表すデータ:研究開発費、売上高研究開発費率、フリーキャッシュフロー
これら七つの指標を用いて、企業の実力値とポテンシャルを総合的に評価した。次ページでは、テクノロジーの力で新たに生まれる移動体験市場で稼ぐ「有望銘柄ランキング・ベスト56」を全公開する。