このほか思考力や発想力、意欲、環境適応力を強める働きもある。つまり、新生ニューロンが活発であるほど、脳回路を巡る情報量は増え、脳のしなやかさも保たれる。

脳細胞も生まれ変わる
  「脳細胞は死ぬばかりで、生まれてこない」という説があるが、これも間違いだ。じつは歯状回では、この新生ニューロンが毎日、新陳代謝を繰り返している。

 新生ニューロンだけではない。図のように、ニューロンの細胞体からの信号を流す(これにより脳が機能する)軸索や、電気信号をニューロンに伝えるシナプス小胞も発達することがある。

 最近の研究によると、よく頭を使う人ほど、軸索が太くなったり伸びたりし、シナプス小胞の数も増えるという。脳の体積自体が増すこともあるそうだ。

 では、脳細胞を増やし、脳を活性化するにはどうすればいいのか。

 一つの方法は「なにかに集中すること」である。久恒氏は「新生ニューロンは、『シータ波』という脳波が出ているときに増える。シータ波は、動物が高いところへジャンプしようとするとき、走るときなどによく出る。つまり、いい意味で緊張することが、脳細胞の増加につながる」という。

 頑張って仕事をする、趣味に没頭することもシータ波をつくり出す好条件となる。ただし、仕事やゲームばかりしているとシナプスの増え方が偏り、脳全体のバランスが悪くなるので注意しよう。

恋に落ちると
脳が活性化する

 一方、昼寝も、脳の老化防止にはよい。20~30分程度眠ると、脳の老廃物が回収され、疲れが癒やされる。好きな音楽を聴くことも有効だ。特に、甘酸っぱい思い出の詰まった「懐メロ」などは海馬や右脳を刺激し、脳を活性化するのに役立つ。

 脳の若さを保つため、ぜひ実行したいのが「運動」と「アルギニン」(アミノ酸の一種で筋肉を増強する働きがある)の摂取だ。