バイデン氏の支持率低迷だけでない
24年米大統領・議会選挙の注目点
米国の大統領選挙は2024年11月の投票日まで1年を切った。直近の世論調査でも目立つのが、再選を目指すバイデン大統領の不調だ。
バイデン氏の支持率は40%前後で低迷しており、再選を目指しながら投票日の1年前の支持率がここまで低かった大統領は、第2次大戦後では共和党のフォード氏や民主党のカーター氏ら再選に失敗した大統領しかいない。
返り咲きを狙う共和党のトランプ前大統領も、前回の20年の選挙で再選を目指した現職時代の支持率は、今のバイデン氏と変わらない水準で低迷していた。
トランプ氏は今回の大統領選挙では、共和党の指名候補を選ぶ予備選挙で2位以下の候補を引き離して独走しているなど、今のところ順調だ。
大統領選挙を想定した世論調査でも、前回20年の選挙では常にバイデン氏がリードしていたが、今回は接戦でトランプ氏の支持が上回る局面もある。
バイデン氏の支持率低迷で「トランプ政権の再来か」と米政治の混迷を懸念する声もでるが、どちらが勝つにしても、当選後の政策運営に苦心する展開がここにきてみえてきた。
大統領選挙と同日に行われる議会選挙での“異常事態”が現実になる可能性があるからだ。