道中で敵に出会ったら、先ず敵の種類を見極めて「戦うべきか、逃げるべきか」を判断する。次に敵の人数を確認して、1体ずつ誘導できるかを検討。次に敵が手にしている武器の種類を確認し、敵が剣を持っているならばぎりぎり当たらない位置をキープして空振りを誘い、その隙に反撃。リーチが長い槍ならば横に回り込みながら、側面から攻撃。飛び道具を持っているなら、盾で防ぎつつ間合いを詰める。これらの対応を怠れば、1分後に袋叩きに遭っているのは自分だ。

これらの説明を聞いて「むしろ、燃えてきた」──そう思える人だけが、このゲームを手に取って欲しい。

ただ道を歩いていただけなのに、HPゲージが長い敵、つまり強敵と遭遇。スタート時点の主人公では到底歯が立たないので、全力逃亡した
ただ道を歩いていただけなのに、HPゲージが長い敵、つまり強敵と遭遇。序盤の主人公では到底歯が立たないので、全力逃亡した

ネットを通じて自分以外の冒険者の“存在”を感じる

本作はインターネットを介したマルチプレイにも対応している。『モンスターハンター』のように仲間を招いて共闘することもできるが、本作の特徴である「他プレーヤーのためにメッセージを残す」および「血痕が残る」という2つの仕組みについて説明しよう。

前者のメッセージは固定の単語を組み合わせて文章を作成し、地面に記せるというもの。メッセージの多くは、その先にある敵や罠についての警告がほとんど。役に立ったメッセージはよい評価を、プレーヤーを騙す嘘メッセージには悪い評価をつけられるので、評価されているメッセージだけを信じていけばいい。

メッセージを評価すると残したプレーヤーにも「評価されました」と通知が届く。メッセージを残した側もリターンを得て、幸福感も感じる仕組みとなっているため、プレーヤーには「喜ばれるメッセージを残したい(評価されたい)」という心理が働き、新たなメッセージが増える。

メッセージに残せる内容には限界があるが、何かを伝えようとする気持ちは感じ取れる
メッセージに残せる内容には限界があるが、何かを伝えようとする気持ちは感じ取れる

後者の血痕についても紹介する。本作ではプレーヤーが死亡すると、その位置に血痕が残る。たくさんの血痕がある場所には、強敵または罠が待ち構えているというわけだ。

血痕がたくさん残っている場所は、すなわち自分も新たな血痕を残す可能性が高い場所。一瞬の判断ミスが死に直結する
血痕がたくさん残っている場所は、すなわち自分も新たな血痕を残す可能性が高い場所。一瞬の判断ミスが死に直結する

血痕に触れた状態で△ボタンを押すと、その血痕を残したプレーヤーが死ぬ数秒前の映像を幽霊のような姿で見ることができる。剣を振り回しながら死んだのなら、強敵に襲われたのだろう。突然パタリと倒れたのであれば、罠にかかったのかもしれない。先人たちの死に様を眺め、自分のプレイに生かせる仕組みだ。だが、その床に新たな血痕を残すのは、あなた自身かもしれない。

一瞬の判断ミスが死に直結するシビアな難易度設定、ゆるやかにつながるネットワーク機能、重厚な世界観やストーリー──これらがフロム・ソフトウェアの集大成とも言える本タイトルの評価の理由だと言えるだろう。