Popparazziのイメージ TTYLのウェブサイトのスクリーンショット
Popparazziのイメージ TTYLのウェブサイトのスクリーンショット

こうした親しい友人との親密感を重視した設計がZ世代を惹きつけている。TTYLによると、Poparazziユーザーの95%は14〜21歳。中でも14〜18歳のユーザーが75%占めており、ティーンネージャー向けサービスと言っても過言ではない状況だ。同SNS上では、これまでに1億枚以上の写真が投稿されたという。

著名なベンチャーキャピタル(VC)もPoparazziに熱視線を送っている。米ニュースレター『Newcomer』によると、2021年5月には米名門VCのBenchmarkとAndreesen HorowitzがTTYLのシリーズAラウンドにおいてリード投資家の座をめぐって競い、結果的にBenchmarkが同ラウンドをリードすることとなった(Andreesen Horowitzは出資を見送った)。なお、米テックメディア『TechCrunch』によると、TTYLは同ラウンドで1500万ドル(約20億円)もの資金を調達。現在の従業員数は15人で、この先2年のランウェイ(キャッシュ不足に陥るまでの残存期間)を確保しているという。

続々と登場する次世代SNSにある“共通点”

次世代SNSと言えば、2021年には音声SNS「Clubhouse」や写真SNS「Dispo」が日本でも話題を集めた。だが、どちらのSNSにも、もうかつてのような勢いはない。

Clubhouseでは人気コンテンツの終了が目立つ。例えば、DIAMOND SIGNALでも取材し、一時は自身の顔写真がClubhouseのアイコンにも採用されたミュージシャンのアクセル・マンスール氏は、最大で6万7000ユーザーが参加したルーム「Lullaby Club」を3月にクローズ。Clubhouseで最も人気なルームの1つだったが、Amazonが手がけるライブ配信アプリ「Amp」に移転した。加えて『Bloomberg』が6月3日に報じたところによると、Clubhouseを運営するAlpha Explorationでは直近、事業の方向展開を理由に、一部従業員をレイオフしたという。

かたやDispoでは2021年3月、創業者のデビッド・ドブリック氏を中心とするYouTuberグループであるVlog Squadの元メンバーによる女性の性的暴行の疑惑がメディアで報じられ、ユーザーや投資家からの信頼が失墜。初期投資家が投資から撤退し、ドブリック氏も経営の現場から去ることとなった。以降はプロダクト開発に注力しているというが、米国外からは事実上撤退済みだ。