「資本主義が内包している課題の1つは、全てにおいて金銭的なリターンがあることだと考えています。売上や利益、配当といったリターンが重要な指標として存在し、それがわかりやすいからこそ(多くのリターンが見込める領域に)お金が流れやすい。文化的に価値のあるものや社会課題の解決を目指した取り組みについては、経済合理性の外側にあったとしてもお金を流していくべきという考えには多くの方が賛同します。でもだからといって必ずしもお金が流れるわけではありません」

「(経済合理性の外側にある活動や挑戦に対して)もっとダイナミックにお金を流していくためには、『金銭的なリターンはあまり多くはないかもしれないけれど、むしろ社会的なインパクトとしてのリターンはこんなにある』といったかたちでインパクトを定量的に示せることが必要だと考えています。それができれば、現在の経済合理性だけで判断するのではなく、未来の人類にとって重要な取り組みなどに対しても大きなお金が流れるようになる。そんな仕組みの実現を目指していきます」(米良氏)