ポケモンGOをリリースした2016年頃は、位置ゲーム自体を新鮮に感じるユーザーも多かった。移動する(歩く)ことでゲームを有利に進められるため、ゲームをするために歩き、結果として健康にもなるという要素が人気を後押しした。これにより同タイトルは、配信開始から5年間で10億ダウンロードという驚異的な数字を叩き出したのである。

しかし現在、位置情報を利用するゲームはすでに市場にあふれている。日本だけでも『駅メモ! ステーションメモリーズ!』や『ドラゴンクエストウォーク』などが先行し、コーエーテクモゲームスも人気IPを用いた『信長の野望 出陣』を発表するなど、競合アプリが存在する。それらとの差別化を図るためMonster Hunter Nowでは「戦闘をアクションゲーム寄りにする」という決断をしている。

画面をタップすると攻撃を行う。画面を長押しすると片手剣ならガード、大剣なら溜め斬りなどの固有アクションを行う

『ポケGO』ジム戦よりも高いアクション要素

ポケモンGOでは、ポケモン捕獲時にモンスターボールを投げる動作や、ジム戦での攻撃回避などにアクション要素が求められる。一方でピクミン ブルームでは歩いた「歩数」を評価するのみで、アクション性はほとんどない。ではMonster Hunter Nowではどうなったかと言えば、「モンスターとの戦闘」要素がある。

筆者は4月19日に開催された発表会で試遊したが、プレイヤーは画面を連続タップしてモンスターを攻撃。モンスターが赤く光ると攻撃してくる前兆なので、左右へのフリック操作で回避する。間合いが離れたら前転して間合いを詰めて……というように、Nianticが過去に制作してきた位置ゲームの中では最もタップ頻度が高い上に、モンスターの攻撃を回避するための左右フリック操作を行う、アクションゲーム的な操作を盛り込んでいる。

もちろん、本家モンハンほどのシビアなタイミングや操作を要求されるわけではなく、「実はモンハンをやってみたかった」という程度のライトユーザーでもストレスなく遊べるアクション要素だ。しかも戦闘の制限時間は75秒で、これを超えるとクエスト失敗となるというアレンジも好印象だった。それでいて、筆者のように最新作のMHRiseを1000時間以上遊んでいるようないわゆる“ガチ勢”がプレイしても「(カジュアルな)モンハンをやっている」感覚を味わえるという、絶妙なバランスを実現していることに驚かされた。グラフィックやモーションだけではなく、ゲーム性についてもカプコン側からの確認やアドバイスが多数入っているという話を聞き、この絶妙な調整にも納得させられた。