立ち上げから約3年——ずっとステルス(人目に触れないように)で事業の準備を進めてきたfrankyだが、ようやく事業の片鱗が見えてきた。

写真右奥で炎を上げるのが「EcoSmart Fire」 画像提供:メルクマール
写真右奥で炎を上げるのが「EcoSmart Fire」 画像提供:メルクマール

frankyは10月29日、バイオエタノール暖炉「EcoSmart Fire(エコスマートファイヤー)」を展開するメルクマールを買収したことを明かした。

メルクマールが手がけるバイオエタノール暖炉はサトウキビを原料とした専用燃料「e-NRG(エナジー)」を使用することで、燃焼にともなう煙や煤を排出しないため、煙突や換気設備が不要な暖炉だ。高い暖房効率を実現し、燃焼時に発生する水蒸気により乾燥を抑えた心地よい空間をつくってくれる。テーブルタイプや置き型、バーナー組み込み型などさまざまタイプがあることから、自宅だけでなくホテルやレストランなどでも利用されている。

今回の買収を機に、赤坂氏は「既存チャネルの強化に加え、新規でデジタルの強化を進めつつ国内だけでなく、韓国や台湾、シンガポール、東南アジアなど、アジア地域への販売も2021年中を目処に進めていく予定です。EcoSmart Fireを通じて、火のある生活がより日常になる未来を作っていきたいと思っています」と抱負を語った。

frankyは今後、EcoSmart Fireの販売を軸のひとつとして、ステイホーム時代の“おうち時間”の豊かなすごし方をテーマに、複数のDNVB(Digital Native Vertical Brand)のプロダクトやサブスクリプションサービスの企画・開発に本格的に取り組んでいくとともに、国内における人材採用も強化していくという。

マンションの一室で昼寝をしたり、近況を話す日々

メンバーともfrank(率直)な関係でいたいし、社外ともfrankな関係でいたい。そして社会やお客さんにとってfrankyな存在でいたい——そんな思いから“franky”という社名の会社を立ち上げた赤坂氏。会社という“箱”は用意したが、事業という“中身”を模索する日々が続く。

「当時から現在の事業アイデアも頭の片隅にはあったのですが、本当にその事業でいいのか決め切れておらず……。正直、何がしたいのか分からない状態での会社設立でした。そのため、まずはゆっくりと事業テーマを探すことにしたんです」(赤坂氏)

マンションの1室を事務所として借り、そこにデスクとホワイトボードを搬入。西川氏と一緒にホワイトボードに日夜、事業アイデアを書き出していった。

「カメラ・家電のレンタルサービスや配送のマッチングプラットフォームなど、スケールしそうな事業アイデアはたくさん出るんですけど、お互い腑に落ちなくて。全然事業をやるモチベーションが上がらなかったんです。いま振り返ってみると、2人とも会社をやれるメンタリティではなかったんだと思います。心の準備ができていないのにアイデアばかり先行してしまった結果、時価総額がどれくらいになりそうか、今のトレンドは何かなど、成功から逆算してしまっていたんです。そのときに起業は『起業しよう』と思ってするものではなくて、何か無性にやりたいことがあるからするものなんだと感じました」(赤坂氏)