資金調達にサービスの立ち上げ、上場や事業売却と、ポジティブな側面が取り上げられがちなスタートアップだが、その実態は、失敗や苦悩の連続だ。この連載では、起業家の生々しい「失敗」、そしてそれを乗り越えた「実体験」を動画とテキストのインタビューで学んでいく。

第7回はfranky代表取締役CEOの赤坂優氏、franky取締役COOの西川順氏に話を聞いた。2人は恋愛・婚活マッチングサービス「Pairs」を手がけるエウレカの共同創業者で、2015年にエウレカをIAC傘下のMatch Groupへ売却後、2017年に取締役を退任。現在はエンジェル投資家としても活動すると同時に、2人で立ち上げた新会社・frankyでの事業を準備している最中だ。今回はエウレカ創業時の「失敗」について対談形式で話を聞いた。

自信がないから「断定型」でものを言えなかった

赤坂:創業初期の失敗はいろいろあるんですが……一番最初にあったことと言えば、会社を始めて間もない頃のことです。「自分が社長、経営者だ」という立場で人に接することに慣れてなかったので、社員に対してどう振る舞えばいいか分かりませんでした。

社員が何を求めてるかも分からない。そして自分に自信がないので、「断定型」でものを言えなかったんです。結果として社員は迷うし、いろんなことを僕らに質問したくなるということが起こっていました。

あと「創業期あるある」だと思うのですが、「みんな一緒にやってこうぜ」と言いあえる友達感覚がありました。ポジションが明確化されてない分、「ここまで言っていいんだ」「ここまで決められるんだ」という、それぞれの意思決定範囲が決まっておらず、会社のヒエラルキーといったものがほとんどなかったのが僕らの場合は悪い方に出たところがあります。