福岡市ではスタートアップが最初からグローバルな環境に挑戦することを重要だと考えています。価値観や発想が違うような人たちが混じり合うことで、想像もしていなかったような化学反応が生まれるからです。

異質なものが混じり合うことは「想像を超えた明日を生み出す」ためには非常に重要です。まさにASCENSIONと言いますか、次元を超えていくことに繋がると思っています。

今年はコロナ禍でリアルなイベントではなくなってしまいましたが、オンラインで開催するにあたって、民間のスタートアップイベント「Startup Go!Go!」、ふくおかフィナンシャルグループのイベント「X-Tech Match up」と連携し、「STARTUP FUKUOKA 3 DAYS」と銘打って開催することになりました。

これまでにMOUを結んだ地域とは、例えばピッチ大会を(相手の国や地域の)現地で行ってきました。そうすると、「日本に進出したい」というスタートアップがピッチをしてくれる。日本から見て「あの企業とマッチングできる」、「日本でも伸びるんじゃないか」と思えるスタートアップを厳選して連れてくることができます。

海外から連れてくるスタートアップには、優遇的に航空券や事務所費などのサポートを提供して来てもらいます。結果として、成功確率の高いスタートアップを連れてくることが可能となります。

福岡市が開催するASCENSIONのようなイベントにも、(海外から連れてきたいスタートアップに)優先的に参加していただきます。日本展開の支援を受けられるような企業が見ているので、ビジネス機会の拡大に貢献していると思っています。

兼業や副業で実現するスタートアップとの新たな共創

──スタートアップ支援以外の、福岡市の動きについても教えて下さい。今月、「DX戦略課」を新設すると発表しました。この狙いについてお聞かせ下さい。

「FUKUOKA NEXT」(編集部注:アジアのリーダー都市を目指す上での福岡市のスローガン)の「NEXT」には“次世代”と“次のステージ”など色々な意味が込められています。福岡市は人口増加率も税収伸び率も開業率も、全国1位です。ただ、これから少子高齢が進むと、前提条件が変わってきます。

今の素晴らしい街を次の世代にも残していく中で、特に高齢者や福祉へ向けた対策のニーズが高まってきます。これにどう対応するのかというのは、デジタル化と関係なく、行政としての大きな課題としてありました。