Instagramは正方形の写真を共有するサービスとしてスタートし、この10年間でストーリーズや最大30秒の短尺動画を作成・発見できる新機能「リール」、ショッピングなどの機能を増やして、進化を遂げてきました。ただ、大事にしている価値観は変えていません。いかにインスピレーションを与えられるか、表現の場として存在するプラットフォームであり続けるか、は今も大事にしている価値観です。

だからこそ、月間10億ものアカウントが使うサービスになったんだと思います。個人的にはとても誇りに思える10年間です。

──今年の8月からリールを開始しましたが、3カ月ほど経って反応はいかがですか?

公表できる具体的な数値はまだありませんが、この3カ月で活発に使われるようになっています。これは専用のタブを用意したのが良かったですね。リールから次世代のユニークなクリエイターがたくさん生まれていって欲しいなと思っています。

──すでに日本ではTikTokが人気を博していますが、TikTokとの違いは?

TikTokも素晴らしい短尺動画の共有アプリだと思っています。大きな違いは音楽やARカメラエフェクトなどのクリエイティブツールですね。最初から使用できるARカメラエフェクトの種類も多く、音楽も大手の音楽会社と提携しているので利用できる楽曲がたくさんあります。これらのクリエイティブツールを使って、手軽に動画を撮影・編集し、最大30秒の短尺動画を作成できるのはリールの強みだと思っています。

短尺動画、消えるメッセージ──誕生から10年、今なおInstagramが進化を続ける理由
 

ストーリーズも2016年に提供を開始したのですが、今では「Instagramと言えばストーリーズ」と思ってもらえるくらいにネイティブな機能になっています。今後、リールもストーリーズと似たような感じになっていくのではないか、と思っているところです。

また最近、縦型の長尺動画を楽しめる「IGTV」に広告を掲載して収益をクリエイターに分配する「IGTV広告」(米国内でテスト中)や、ライブ中に視聴者がクリエイターに投げ銭できる「バッジ機能」のテストを国内でも開始したように、Instgaramは個人のクリエイターが収益を生むためのサポートもしていきたいと思っています。まだIGTVやライブ配信などに限定されていますが、今後はリールにも展開していきたいと考えています。

──Instagramが考えるクリエイターの定義は何ですか?

表現する人は誰しもがクリエイターという考えもありますが、私たちが考えるクリエイターはコンテンツをつくることで生計を立てている人たちです。そういう人たちがどのように発見されて、成長していくか。そのためにできるサポートを常に考えています。