「消えるメッセージモード」を提供し始めた理由
──ライブ配信機能もコロナ禍で活発に使われた印象です。
今年3月には前月比でライブ配信の視聴者の割合は70%上昇しました。例えば、ロックダウン(都市封鎖)中だったからこそ起きた出来事のひとつに、プロテニスプレーヤーのロジャー・フェデラー氏とラファエル・ナダル氏の2人がライブ配信で話をすることがあったんです。こうした出来事はロックダウンの状況下で、ライブ機能があったから出来たことだと思います。
ライブ配信は今後も強化していきたいと思っていて、一度にライブ配信できる人数を4人まで増やしていきたいと思っています。
──また、最近では「消えるメッセージモード」や「キーワード検索」などの新機能も試されています。
コロナ禍の前は友人や同僚などと(対面で)記憶に残らない他愛のない会話をしていたと思います。ただ、対面で人と会いづらい状況では他愛のない会話は難しい。デジタル上でも他愛のない会話をするためには消えるメッセージモードが必要かと思い、機能の提供を開始しています。
キーワード検索は、まず英語圏で試験的に始めています。これまで検索といえば特定のアカウントやハッシュタグを検索していたと思いますが、その検索方法では見つからないものも当然あります。だからこそ、キーワード検索も必要なのではないかと思いました。
──最後にInstagramの今後の展望も教えてください。
大きな軸は3つあります。ひとつはエンターテインメントです。コンテンツをつくるクリエイターの人たちが進化していくためのサポートをしていきたいと思っています。2つめがコマースです。ショッピングの行動は「発見」が大事なのですが、既存のブランドだけでなく個人のクリエイターの商品も買えるようにしていきたいと思っています。
最後がコネクションです。Instagramの特異性は「コネクトの仕方(繋がり)」だと思っています。自分が一番大事なことに繋がる、自分にとって関心のあるものに繋がる。自分の表現をどう見せて、繋がっていくか。この部分も進化させていきたいです。