学会・展示会や婚活パーティー、演劇イベントまで利用シーン拡大
自社でもoViceを活用しているジョン氏は「勤務中はoViceをブラウザ上で開きっぱなしにしておき、声をかけられたら返事をする、といった使い方をしています」と話す。
プロダクトはOpen Network Lab(Onlab)の起業家支援プログラム「Seed Accelerator Program」第21期にも採択された。リリースから1カ月弱で導入企業は100社を超え、現在は約700社が利用する。
利用シーンも広がっており、企業の社内向けのコミュニケーションツールととしてだけでなく、休校が続く大学での導入も増えている。また、パーティや学会、展示会、演劇イベントなどの開催の場としても活用されている。
「Onlabのオンライン発表会でも使われましたし、学会などの学術イベントにも、だいたい毎月1回は利用されています。大ホールでの基調講演のような発表と同時に、ホール外のロビーのようなオープンスペースでの交流や、ポスターセッションのような出展が可能な点がニーズに合っているようです」(ジョン氏)
カジュアルなイベントでは、ハロウィーンや婚活パーティーなどでも使われており、ほかにもユーザー参加型の謎解きイベントの会場としても利用された例もあるそうだ。
「物理的に会えない今だからこそ、oViceで忘年会をやるというのもオススメです」(ジョン氏)
料金はイベントなどの単発利用で、1週間2500円から。オフィスやキャンパス代わりの定期的な利用の場合、10〜20人の利用に適したBasicプランで月額5000円、30〜50人利用を想定したStandardプランが月額2万円、100〜300人の比較的大きな規模で利用するOrganizationプランで月額5万円だ。
いずれも初期費用などは不要。同時接続の上限はあるが、アカウント数や接続数ごとの課金ではなく「不動産のように、スペースの広さに対して課金する考え方」(ジョン氏)をとっているという。中には1フロアではなく、建物の概念をいれて、複数フロアで利用している企業もあるそうだ。
「新型コロナ感染拡大が落ち着いて、必ずしもリモート必須でなくなってからも、新しい市場が作れそうだと考えています」とジョン氏。将来的にはAR的な、オンラインとオフラインを融合するサービスの展開も考えているという。
「oVice専用のデバイスをオフラインのオフィスに置いておくだけで、ブラウザを開かなくてもオンラインでoViceに接続した人との話がシームレスにできるような仕組みを検討しています。このプロダクトは来年上期には実現したいと思っています」(ジョン氏)