日本において食はかなり重要なコンテンツなので、世界に向けて戦っていける職人が増えると良いなと思います。

さくらインターネット代表取締役社長 田中邦裕氏

  • 2020年の振り返り

2020年は、特にデジタルトランスフォーメーションと言うキーワードがよく聞かれた年です。サブスクリプションや、クラウドサービス、シェアリングエコノミーなど、ITをベースにしつつも、ITを使わなければ実現できないものにビジネスの世界が変わってきたと言う印象を持っています。DX系企業の株価もずいぶんと上がりました。

以前は、ネット業界がインターネット上だけでビジネスしていて、受託開発業界が企業のコストダウンのためだけに古いスタイルでシステム開発をしていましたが、最近はリアルなビジネスがIT経由で収入を得るように変化してきました。

今年のGoToトラベルも、オンライン経由の申し込みが大半を占め、クーポン券自体がデジタル化され、ITをベースにして旅行業界がビジネスをするようになったことが印象づけられました。今後も、ITの上でビジネスをする人が増えてくるでしょうし、単なるコストダウンの手段や、インターネット上だけのサービスではなく、リアル社会がITによる変革で、そもそも全く違うビジネスが出てくるものと期待されます。

  • 2021年のトレンド予測

すべてのビジネスは、重層構造になっていて、プラットフォーム上から実際の顧客フロントまで、複数のレイヤーが存在しています。その中で、顧客フロントの部分で言うと、古くからのビジネスがどんどんITを使って変化していくと考えています。

例えば飲食店が、食事をするたびに現金で回収していた収入を、サブスクリプション形式で毎月クレジットカードから引き落としをして、店のロイヤリティを高めていくことでLTV(顧客生涯価値)が高まっていき、中長期にわたる安定した収入を得られる、というようなビジネス形態も出てきています。

プラットフォーム側で言うと、例えばサブスクリプションを支援するサービスや、業務をクラウド側で代替するサービス、電話やチャット等の問い合わせの代行など、顧客が自分のビジネスだけに集中し、それ以外の部分をITやアウトソーシングを活用する、という世界になると思います。以前と違って、顧客がビジネスをするにあたって、持たないといけないものが激減してきて、それを代替するビジネスが来年伸びるんだろうと考えています。