X Asia代表取締役CEO 門奈剣平氏
- 2020年の振り返り
まずは「EC」ですね。やはりコロナ禍においてそもそも外出が減ったこともあり、今まで一般的ではなかった領域でもオンライン化が進んでいるように感じます。中でも「食」は台頭していると思いますね。当社のシェア買いアプリ「カウシェ」上においても勿論ですが、他ECサイトにおいても外食の有名ブランドがお家でお店の味を再現できるセットを販売したり、今まで外食オンリーだった様々なプレイヤーが参入しています。
ただ、その中でもBASEやSTORESいった「スモールビジネス」向けのECが本当に伸びた一年だったと思います。個人の方であっても、アパレルや食料品を販売する実店舗の方々がどんどんオンラインへとシフトしましたし、物産展等の催事の中止の影響を受け、より台頭したのはではないかと思います。
最後に「応援経済」です。コロナ前も盛り上がりを見せていた領域かと思いますが、コロナの未曾有の事態を踏まえ、今まで当たり前だったコミュニケーションが希薄化し、他人との繋がりを感じにくく、精神的に不安を覚える方も多かったかと感じます。そんな中、給付金を寄付する人が出てきたり、誰かを応援することにより自分という存在の立ち位置を再確認する人が多かったのではないでしょうか。ニューノーマルが浸透した結果、”オフラインに代替する買い物体験”が今後ますます台頭していくと思います。
- 2021年のトレンド予測
引き続き「EC」ではないかと思います。ただ、これは決してポジショントークではなく、真剣に思っています。2020年はコロナの影響もあり、EC化も格段に進んだのではないかと思われる方も多いかと思いますが、現状、日本のEC化率はわずか6%台に過ぎません。びっくりですよね。
まだまだECが社会のインフラとして進化・拡充する余地はありますし、Amazonやアリババの台頭を踏まえても、日本も早く追いつかねばならないという焦燥を感じます。
このことを話すと、そもそも日本とは人口に差がありすぎる、文化的に仕方がないといったことを言い出す方が時たまいらっしゃいますが、日本でもITバブルを期に楽天が国内ECの雄として市場をけん引しています。2020年になった今、楽天市場のような国内ECを牽引するプレイヤーがもう1〜2個出てきてもいいと思いますし、その可能性が大いにあるのではないかと感じています。