バルクオム代表取締役CEO 野口卓也氏

  • 2020年の振り返り

自分自身がD2C領域に集中した年であったため、その範囲でお答えします。当初から想定していた通り、D2Cブランドが飛躍的に増えた1年でした。スタートアップの数はもちろん、大企業もこぞってDXと同じアナロジーでECシフトを強めています。

(ECセグメントの)上場企業も「D2C」という表現を使うシーンが目立ちました。ある家具のメーカーは非常事態宣言に伴い需要が高騰し、株価もすぐに反応して立ち上がったことが印象深かったです。ECにまつわるすべてをコロナ禍が進化を加速させたと考えて間違いありません。

  • 2021年のトレンド予測

D2Cは引き続きかならず高成長する領域ですので、キャッチアップしておいて間違いありません。グロースハックがかなり型化されてきたため、成功するブランドは増えるでしょうし、えてしてそのようなシチュエーションで現れる常識外れの手法・成果を出すスタートアップが必ずくると思っており、見逃さないようアンテナを張っておきたいですね。

ANDART代表取締役社長 松園詩織氏

  • 2020年の振り返り

旧態依然でイノベーションが起きづらいと言われてきた業界を含む、各領域でのデジタル化が世界中で急速に進んだ異例の1年でした。例えばアート領域において“難しい”と言われていたオンライン流通は全体の30%まで向上しましたが、領域というよりは全般的にいかにスピーディーに順応しチャンスに変える打ち出しをできたか、もしくは元々オンライン注力していたかが優位性を分けたと思います。

また、自身の価値観ごと見直す転機となったり、これまで以上に魅力的な個人やサービス、商品に出会い選択肢になかった新しいものを購入した方も多いのではないでしょうか。そういう意味でこのコマースが圧倒的に盛り上がる中、話題となり伸びているD2Cブランドなどは本質的に良いもの・必要とされるものを提供できているのだなと刺激となりました。

  • 2021年のトレンド予測

2020年のホットなキーワードのひとつにとメタバースがあると思いますが「メタバース×コレクティブアイテム」がより多様化し、一般的に拡がっていくことに期待があります。コレクション性が高くファンも多いスニーカー領域では「AGLET(アグレット)」というデジタル上でスニーカーを所有できるサービスも登場しました。

エンタメ体験やコミュニケーションだけでなく、デジタル上での購買しそのまま楽しむという消費行動がますます自然な感覚で起こり、デジタルとリアル世界の往復ができると面白いし、ANDARTがテーマとするアートとも相性が良いと思います。