でも、私はなるべく有給休暇を消化してから辞めてほしいのと、6ヵ月の残業記録を残してほしいという気持ちがあります。

 有給は残っている人は20日くらいある人もいるので、引き継ぎをして、有給をとったら3ヵ月なんてあっという間だと思います。
 
 退職日を決めると、少し気持ちが落ち着いてくるものです。 心の中で退職日を決めたなら、退職届を出して、最終出勤日を迎えるまでは、なるべく穏やかに、にこにこと仕事ができるとベストです。

 退職理由を決め、退職日を確定したら、退職予定日からさかのぼって半年間の残業記録を入手しましょう。例えば、9月いっぱいで退職すると決めた場合、4月からの残業記録をチェックするということです。この作業は慌てず、退職するまでにやっておけば問題ありません。

 なぜ記録をとるのかというと、退職直前の半年間で次のいずれかに該当した場合、ハローワークで特定受給資格者 に認定されます。

(1)100時間以上の残業をした月が1ヵ月以上ある
(2)連続する2ヵ月で残業時間の平均が80時間を超えている
(3)45時間以上残業した月が3ヵ月以上連続で続いている

 これらは「過労死のライン」にあたるため、自己都合の退職でも、会社都合の退職扱いになります。

 自己都合の退職では給付制限がかかるため、失業給付金(雇用保険に入っている人が、健康で働くことはできるけど、仕事が見つからないときのための制度)が振り込まれるのに、2~3ヵ月程度、待たされることがあります。

 一方、会社都合の退職では、給付制限がなくなり、失業給付金も早期に振り込まれます。さらには、年齢や働いていた期間によっては、失業給付金を受給できる期間も、自己都合の退職より長くなるのです。

 特定受給資格者に認定されるためには、正式な証明が必要です。給与明細が保管されていればそれでもいいですし、給与明細に残業時間が記されていない場合や、給与明細を保管していない場合は、担当者に労働記録を提出してもらいましょう。

 また、退勤のときに会社の時計を写真に撮るなど、自分でとった記録の場合も原則、証明になります。