世にストレス解消法は数多いが、元気を出すためにトライしたのに逆に疲れてしまうことも。正しい方法を自分のものにして、ストレスが溜まりにくく解消しやすい体質を目指せば、人生はきっと今より楽になる!※本稿は、メンタルドクターSidow『ケーキ食べてジム行って映画観れば元気になれるって思ってた』(WAVE出版)の一部を抜粋・編集したものです。
忙しくても疲れを感じなくなるのは
エナジードリンクを飲んだりするのと同じ
「忙しくして充実感を得る」
↓
より良いストレス解消法
「適度に休息を取る」
「忙しくしている間は疲れを感じない」ことはありますか?
このような特性を持つ人の中には、仕事であれプライベートであれ、やりたいことをどんどんやって生活を充実させることを人生の目標としている人もいます。彼らは忙しければ忙しいほど生き生きとして充実しているように見えます。
ただ、こうした生活はストレスの観点から見るとやや危険ともいえます。
たしかに忙しくしているほうが人生も充実している気がしますし、実際に何かに打ち込んでいるときは神経伝達物質のドーパミンやアドレナリンが放出され、疲れを感じづらくなるのも事実です。
しかし、その状態をずっと続けているといつか心と体に限界がきます。
忙しくても疲れを感じなくなるのは、エナジードリンクを飲んだりするのと同じで、あくまで一時的なものです。 むしろずっと忙しくしていると疲れのサインに気づけなくなってしまうため、その前に適度に休むことが必要です。
どんな一流のアスリートでもオフの期間があるように、休息を挟みながらでないとベストなパフォーマンスは出せません。ましてや日々トレーニングをしていて、普通の人よりも体力のあるはずのアスリートですらしっかり休むのですから、そうではない人が休みを取らずに動き続けたらどうなってしまうか、想像に容易いと思います。
精神科の疾患で「双極性障害」という病気があります。これはハイテンションな躁状態と気分が落ち込むうつ状態を繰り返すのが特徴の病気です。
躁状態のときは自分が何でもできる気がして非常に活動的になり、睡眠も取らずに動き回りますが、躁状態は大抵1週間程度で落ち着き、その後にうつ状態になります。うつ状態になるとまるで躁状態がウソだったかのように活動性は下がり、引きこもりがちになり、気持ちも沈んでしまいます。
双極性障害まではいかなくても、忙しい期間が続いた後に急にやる気がなくなって前までできていたことができなくなってしまう、という経験をした人もいるでしょう。これはいわゆる「燃え尽き症候群」と呼ばれ、多忙な時期や何かを達成した後にやる気がなくなってしまう状態を指します。