このようにワンタップで授乳記録をつけることができ、夫婦間での共有もできるアプリ「授乳ノート 簡単シンプル赤ちゃんの育児記録(以下、授乳ノート)」を提供している企業が、カラダノートだ。

 搾乳器、哺乳瓶で授乳した時も、項目ごとに記録でき、おむつや睡眠の記録も管理が可能だ。さらに、授乳アラームが設定でき、最適な授乳間隔でリマインドまでしてくれる。

「陣痛からワクチン接種まで」お母さんの要望に応えたアプリ

 2008年に創業したカラダノートは、創業から5年ほどは“子育て”にジャンルを絞らずに、身体に関する悩みや不安を改善するための、疾患をチェックできるアプリを複数リリースしていた。その中でも、妊活のための記録アプリ「ママびより 妊娠から出産、育児まで使える情報アプリ(以下、ママびより)」の伸びが良かったため、2013年に“子育て”ジャンルの開発を中心とするようになった。

「子育テック」の新常識、陣痛も授乳もアプリで管理「授乳ノート」は授乳以外にも、あらゆる管理・記録が可能だ 提供:カラダノート
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 今では、先ほど紹介した「授乳ノート」や「ママびより」に加えて、陣痛間隔を記録するアプリ「陣痛きたかも」や、離乳食の量や時間を把握する「ステップ離乳食」、ワクチン接種を管理する「ワクチンノート」の計5種類のメインアプリを提供している。どれも“記録”することが軸になっているのが特徴だ。

 代表取締役社長の佐藤竜也氏は「これまでお母さんたちが、頭の中で考えてやっていたものを、すべてアプリ化できるのが理想です」と意気込む。

 分野と使用期間が限られているため競合が少なく、実際に出産や子育てを経験した女性の声をもとにアプリを設計することで利便性を追求していることから、ダウンロード数は伸び続けている。また、この領域に参入したのが早かったこともあり、今では5種類のアプリを足して55万MAU(月間アクティブユーザー)、新規で毎月3万人以上のユーザーを獲得している。

「出産や育児のため休職している人口は約84万人といわれているので、そのうちの過半数はカラダノートのアプリを使ってくれている計算だ」と佐藤氏は言う。

「夫婦間で情報を共有すると幸福度が高いといわれているので、情報共有機能は意識して取り入れています。ほかにも、単なる健康管理ではなく、日常の記録の中で家族の幸福度があがる仕組みを作りたいです」(佐藤氏)

米国で盛り上がる「ベビーテック」市場

 米国では、2016年頃から赤ちゃん(Baby)とテクノロジーを組み合わせた「ベビーテック(BabyTech)」という言葉が使われるようになった。

 妊活、出産、子育てをサポートするテクノロジーの総称で、「Baby Eats(赤ちゃんの食事)」「Baby Learn & Play(赤ちゃんの発育)」「Baby Safety(赤ちゃんの安全)」「Healthy Baby(赤ちゃんの健康管理)」「Fertility & Pregnancy Help(妊活補助)」の5領域で語られることが多い。