世界最大の家電ショーである「CES」でも、2016年から「BabyTech Award」が開かれ(昨年より日本でも開催)、ベビーテック領域に特化するスタートアップも増えている。
具体的には、スマートフォンアプリと哺乳瓶が連動し、赤ちゃんが飲んだミルクの量や温度をリアルタイムに記録できるサービス「BlueSmart mia」や、子どもの安全に関してアラートを出せるチャイルドシート「The Cybex Sirona M」などがある。
“手間をかけること”を美学とする日本
カラダノートでも、出産や育児の領域でテクノロジーを活用することを「子育Tech(こそだてっく)」と名付け促進を進めているものの、米国と比較すると日本はベビーテック後進国だ。日本は米国よりも乳幼児向けサービスの規制が厳しく、IoTデバイスやハードウェアが作りにくいのが原因だ。
さらにもうひとつ、日本が米国に遅れをとる原因として、「米国との文化の違いにある」とカラダノートの広報担当者は主張する。
「米国は無痛分娩が一般的で、4人に1人が産後2週間で仕事復帰します。日本だと、いまだに親が子どもに手間をかけることが美学とされているところがある。効率化して楽をすることを“悪”とする文化が根付いていることが、普及の進まない1つの要因ではないでしょうか」
しかしながら、日本でも共働きの夫婦はどんどん増えている。日常の少しの手間をテクノロジーの力で省くことができれば、その分家族と触れ合う時間が増え、生活はより良いものへと変わっていく。テクノロジーが出産や育児を成り代わるのではなく補助として活用できれば、日本のお母さんの心強いパートナーになるだろう。