「オフライン」コミュニティを「オンライン」へ
アメリカでは、昨今ブームとなっていたD2C企業のオフラインイベントが続々とオンライン開催へとシフトしている。低アルコール飲料を販売するHausは、サンフランシスコ、ロサンゼルス、ニューヨークなどの注力市場でオフラインイベントを開催し、コミュニティを拡大してきた。リアルな場を重視していた同社も現在はイベントをオンライン化し、「オンライン・アペリティーヴォ・アワー(Online Aperitivo Hour)」なる「オンライン飲み」を週に1度開催している。
.@drinkhausのオンラインミートアップがめっちゃ楽しかった!@helenaさん、@woodyhambrechtさんやTwitterでフォローしている人がいっぱい揃ってた!
— Tetsuro Miyatake (@tmiyatake1) March 13, 2020
また来週参加しようw
Loved the online meetup Helena and Woody! Saturday morning here, but definitely joining next week as well :) pic.twitter.com/e3todiHKk3
初回には50人以上が集まり、軽い情報交換をしたり、今後の開催について意見を求められたりした。Instagramのライブ配信機能である「Instagram Live」で開催された2回目には、デオドラントを販売するD2C企業・Schmidt'sの創業者たちが参加しており、事業戦略などについて気さくに話してくれた。
今週はInstagram Liveで@drinkhausがオン飲みをやりました!@SchmidtsNaturalの創業者である夫婦の@jaimeschmidtと@chriscantinoとSchmidtsの成長や組織の話がめっちゃ面白かったです!
— Tetsuro Miyatake (@tmiyatake1) March 20, 2020
質問提出したら、まさか回答してもらえましたw
Awesome job hosting again Helena and Woody :) pic.twitter.com/0GWQYoFApy
ランニングウェアを扱うTracksmithもランニングクラブやユーザー向けのミートアップをオフライン開催していたが、今はそれをデジタル化。同社はエクササイズに関するコンテンツをユーザーに送ったり、ユーザー同士でトレーニング方法をアドバイスしたりできるSlackグループを用意した。
今後、様々な企業がオンラインイベントを開催し始めるだろう。だからこそ他社に注目が集まる前に動くことが重要だ。会場の確保や設営が必要ないため短い準備時間で開催できることは、オフラインイベントにはない利点だろう。あえて「コミュニティを作るきっかけ」で苦しんでいることを赤裸々に話すことで顧客の共感を生み、より親密なコミュニティが形成されるケースも多々ある。
「パーソナル」で「正直」なメッセージは効果大
アメリカではここ数週間、コロナの影響を感じたブランドの多くが自社の状況をメールでユーザーに説明している。だが顧客にとって自身の「健康と安全」が最重要である中、「興味や関心のない情報が送られてくること」にウンザリしているといった声がSNS上では散見される。一方で、効果的な情報配信はシェアに繋がっている様子だ。
ブランドにもよるが、ライト層の顧客は連絡を必要としていないこともある。内容を考える前にまずは「メールを送るべきかどうか」を考えるべきだ。そして既出の情報を有り難がる顧客はいないため、頭をひねる必要がある。
米国のD2Cブランドが実施した例をいくつか紹介しよう。
水着D2CブランドのAndieではCEOのMelanie Travis氏がユーザーに直接メールを送っている。自身の思い、感情、そして感謝が込められた非常にパーソナルなものだ。ユーザーが直接返信できるようメールアドレスを公開しているほか、電話番号やインスタグラムのアカウントなど他のチャネルも紹介している。